地元の公立中学校は制服があるものの、新調せず知り合いからお下がりをゆずってもらう人が大勢います。私の息子もかつて同じサッカークラブだった先輩のお下がりをいただき、お礼に菓子折りを渡しました。そして息子が中学を卒業してから数年後、あるママ友のお子さんに制服をあげることになったのですが、そのお礼にと彼女が用意してくれたのが、予想の斜め上をいくものだったのです! なぜ彼女がそれを選んだのかについてお話しします。
お下がりの制服
私が暮らす地域の公立中学校には、男女ともにブレザータイプの制服があります。しかし、成長期の子どもたちはすぐにサイズが合わなくなるのに加え、子どもたちは普段ジャージで過ごすことが多いため、制服を新調せず知り合いのお下がりをゆずってもらう家庭が少なくありません。
私も先輩ママのTさんの仲介で、かつて息子と同じサッカークラブにいた先輩のお下がりをサイズ別に2着いただきました。自分で買うのはYシャツだけ。新調すれば、ブレザーとスラックスの1組だけでも3万円を超します。いただいたブレザーの裏の名前欄には、マジックでいくつもの名前が書かれては線で消され、これまで大勢の先輩方に着られてきたことがよくわかりました。
「気持ちばかりのお金を払うべきでは?」と心配する私に、Tさんは「菓子折りでも持っていけばいいのよ」とアドバイスをくれました。私はデパートで焼き菓子の詰め合わせを買い、制服をゆずってくれたサッカークラブの先輩ママと、口添えしてくれたTさんにそれぞれ渡しました。
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お礼は高級スーパーの漬け魚
息子が中学を卒業して数年後、知り合いのママ友Mさんの息子が中学に上がるというので、「制服をあげるよ」と申し出ました。彼女も私と同じように「いくらか払うよ」と言ってくれましたが、「私もタダでいただいたのでお金はもらえない」と断りました。
Mさんに制服を渡す日、彼女は銀色に光る保冷バッグを持ってやって来て「これはほんのお礼なんだけど」と差し出しました。「えっ!」と驚く私に、Mさんは「今買ってきたばかりだから、早く冷凍庫に入れて」と言いながら保冷バッグを開いて見せました。
なんとそこには、駅前の高級スーパーで売っている冷凍の漬け魚が何匹も入っていたのです。私は驚いて「どうしてこんな高級なものを?」と聞くと、Mさんは彼女の家の近所に住むTさんとの間で、かつてあったエピソードを話し始めました。