さらなる衝撃
そんなある日、夫と義母が連れ立って帰宅すると……。玄関口に、見知らぬ若い女性を連れてきたのです。そして開口一番、「新しい嫁が来るからチェンジで!」と言いました。
驚いている私に向かって夫は、「俺は役立たずのお前とは離婚して、彼女と再婚するんだよ!」と宣言。続けて義母は、「あんたはもう無用。荷物をまとめて出ていって」と有無を言わさない様子です。
聞けば、その女性はとある大企業の社長令嬢とのこと。夫は、再婚すれば自分が次期社長になれると期待しているのです。
あきれ果てた私は、娘を連れてこんな家からは出ていこうと決心しました。
「わかりました。お望み通りにします。でもどうなっても知らないからね」
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真実がわかって
数日後、私は離婚届にサインし、夫と義母と暮らしていた家を出て、娘と一緒に実家に戻りました。2人は思い通りになったとウハウハ。私の言葉など意にも介していませんでした。こうして数カ月が過ぎたのですが……。
ある夕方に突然、元夫と義母から助けを求める連絡が入ったのです。「お、俺たちが悪かった! もう一度やり直そう! 許してくれ」
私はその理由に心当たりがありました。そう、彼らが残って住んでいた家が取り壊されることになったのです。というのもその家屋、実は私の父が本当の所有者。他界した義父を信頼し、ずっと昔に無償で貸し出していたものだったのです。
「私と娘がいたから、あなたたちはこの家に住めたんです」
夫も義母も、そんなこととはつゆ知らず。私は、離婚を機に家の解体を父に依頼。元夫は養育費や慰謝料を払う気もないようだったので、この家屋と土地を売ったお金が私に入るようにしてくれたのです。