手打ち あさま(中目黒)|名門『七彩』出身の店主が繰り出す絶品手打ち麺
最後にご紹介するのは、2024年10月11日、中目黒にオープンした『手打ち あさま』。
店舗の場所は、中目黒駅(東急東横線、東京メトロ日比谷線)の南改札口(祐天寺駅寄りの改札口)から「東口2」へと向かい、そこから2分程度(約140m)歩みを進めたところ。駅近のラーメン店が多い中目黒エリアにおいても、特にアクセスが良い部類に属する。
店主は、八丁堀の名店『麺や 七彩』のご出身。『手打ち あさま』では、修業元と同様「注文の都度、麺帯から麺を切り出す」という、とてつもなく手間ひまが掛かる方式を採用している。
ちなみに『七彩』を修業元とする店舗であっても「都度切り出し方式」を採り入れている店は、『純手打ちだるま』(中野富士見町)など、数えるほどしか存在しない。
これらの要素がラーメン好きに見事に刺さり、『あさま』は、開店初日から現在に至るまで、行列が途切れない活況ぶりを呈している。
そんな同店が提供するのは、「醤油らーめん」とそのバリエーション(「味玉らーめん」、「ちゃーしゅー麺」、「特製らーめん」)のみ。
「醤油ラーメン」1200円
麺は、2種類の道産小麦(「春のいぶき」と「ゆめちから100」)をブレンドした麺帯から包丁で切り出し、入念な手揉みが施されたもの。「茹でる際に巨大な釜で麺を泳がせる」、「平ザルで麺上げを行う」など、麺肌が傷付かないよう細心の注意を払う心遣いも特筆に値する。食感と触感に優れ、舌上でたわみ弾ける麺は、現在における手打ち麺の最適解だと断定できるほど秀逸だ。
うま味成分を豊富に含む「黒さつま鶏」を主軸に、煮干し等の魚介素材を合わせたスープも、出汁感に満ちあふれ、思わず口福の笑みがこぼれてしまう。自家製麺好きを自負される方なら、この店をスルーするわけにはいかないだろう。ぜひ足を運び、手打ち麺の神髄を体感してもらいたい。
●DATA
手打ち あさま
住:東京都目黒区上目黒2-13-7 ハイべール上目黒
営:11:30〜15:00 ※麺売り切れ次第終了
休:不定休
●著者プロフィール
田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。
※本記事の情報は2024年12月末時点のものです