NHK紅白歌合戦の特別企画で、シンガーソングライターの米津玄師さん(33)が歌いながら大階段を降りて、朝の連続テレビ小説「虎に翼」の出演者らと踊るシーンは、最も印象的なシーンの1つだと、ネット上で大きな話題になった。

その舞台になったのが、ネオ・バロック様式のレンガ造建築物として朝ドラのロケ地になった名古屋市市政資料館だ。

「こんな大掛かりでやってたのか」「今年最後にすごいものを見た」

俳優の伊藤沙莉さん(30)が演じるヒロインの寅子が、ここで裁判を傍聴した大学女子部の友人たちと話していると、椅子に腰掛ける米津さんの姿が画面に映る。

寅子が米津さんを見て首を傾げながら去って行くと、米津さんは、主題歌「さよーならまたいつか!」を歌い出しながら階段を降り、伊藤さんら出演俳優らとダンスを繰り広げて…。

「虎に翼」のスピンオフドラマが紅白で放送されることは、2024年12月20日に発表されていた。しかし、朝ドラの聖地「市政資料館」で米津さんが歌うことは、事前に知らされていなかった。

米津さんと言えば、18年に紅白初出場を果たしたとき、徳島県鳴門市内の大塚国際美術館を借り切り、生中継で熱唱した姿が大きな感動を呼んだ。出場2回目の今回も、「こんな大掛かりでやってたのか」「今年最後にすごいものを見た」とX上などで反響を巻き起こしている。

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日本初の女性弁護士、三淵嘉子さんもここで働いていた

名古屋市市政資料館は、大正時代の1922年に建てられ、屋根の中央にドームがあるのが特徴だ。現存する最古の控訴院(現在の高等裁判所)として、84年に国の重要文化財に指定された。

寅子のモデルで、日本初の女性弁護士で後に裁判官となった三淵嘉子さんもここで実際に働いていたことがある。「虎に翼」の東京編では、東京地方裁判所として使われていた。

米津さんの出演が大きな話題になると、X上では、そのパフォーマンスがあったのは市政資料館ではないかとの声が相次いだ。

発表前日の12月19日、実際に資料館が全面封鎖され、正面前の道路を通行止めにして、紅白の撮影が行われていたと、放送後に地元の人からの報告もあった。それによると、黒い幕の合い間からは、「さよーならまたいつか!」の振り付けらしきものも見えたという。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)