24年10月、三軒茶屋にオープンした「MAISON FARMER(メゾンファーマー)」。西麻布のミシュラン三ツ星レストラン「レフェルヴェソンス」で腕を振るったシェフのアイスクリームは、プレオープン時から話題に。
そんな旬の素材とスパイス、ハーブなどを掛け合わせた極上の味わいを楽しめるお店を取材。シェフと店長に、アイスのこだわりやお店に込めた想いを伺いました。
シェフやバイヤー、いろんな人が集まって生まれた「MAISON FARMER」
お店があるのは、三軒茶屋駅から徒歩30秒ほどのビルの一画。季節によって変わるアイスクリームのほか、生産者から直接仕入れたナチュラルワインや、ナッツや果物の加工品も。店内には小さな立食スペースがあり、アイスクリームとワインはイートインでも楽しめます。
画像左:アイスクリームのレシピを手掛ける青木渚シェフ、画像右:店長・バイヤーの武石尚子さん
お店のレシピを手掛けるのは、「パレスホテル東京」や「レフェルヴェソンス」、アメリカの三ツ星レストラン「SingleThread Farm – Restaurant – Inn」での経験を持つ青木渚シェフ。店長・バイヤーの武石尚子さんは、生産者から直接仕入れた野菜や果物を販売するお店を経て、この「MAISON FARMER」に。
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規格外の素材も活かした絶品アイス
※アイスクリームの種類は季節によって変わります
アイスクリームのラインアップは、常時8~10種類ほど。そのどれもが、シェフや店長をはじめ、この事業に関わるメンバーがつながりを持つ生産者から直接仕入れた素材を使っています。
季節限定フレーバーのひとつ『いちじくとりんご』は、千葉県の農場・insect farm村上のいちじくを使ったアイス。青木シェフは、「素材の美味しさが引き立つように、加工しています」と話します。
「素材を楽しんでもらうためには、まず香りを感じてもらうのが大切だと考えています。りんごを加えたのも、主にいちじくの香りを強調するためです。
けれど、りんごが目立ちすぎて『りんごのジェラート』となったり、ミルクが強くて果物とミルクどちらを食べているのか分からない、となったりはしないように。その素材を追加する意味を考えながら作っています」
いちじくの甘酸っぱさがぎゅっとつまったアイスから、ふわりと奥深い香りが。果物やミルクが絶妙にあわさって生まれる味わいは、繊細でアートのような雰囲気を感じます。
関東にはあまり出回っていない、神戸の弓削牧場の牛乳を使った『弓削牧場のミルク』は、その澄んだ甘さにびっくり。鼻からすっと抜けていく柔らかい香り、思わず笑顔がこぼれるような美味しさです。
季節限定の『かぼちゃとキャラメル』には、大分や静岡など、時期によって異なる複数の農園のかぼちゃを。かぼちゃの自然な香りと甘さに、ほんのりキャラメルの後味が。定番のホクホクとした美味しさに、大人のコクが加わります。
オーガニックシュガーや生クリームなどシンプルな素材で作るワッフルコーンは、お店で焼いたものを提供。カップにのせるオーダーもでき、割ったコーンでアイスをすくったり、ワッフルコーンだけを持ってかじったり、いろんな食べ方で楽しめます。
ナチュラルワインは、生産者から直接仕入れたものをグラスで2種ほど提供。アイスとワインの美味しい組み合わせは、自分で見つけるのはもちろん、お店のスタッフに聞いてもOK。スタッフそれぞれの、おすすめのペアリングを教えてくれるそうです。