消費量も生産量も上がっている人気の果実「アボカド」。近年は、国産のアボカドが高値で取り引きされ、アボカドの国内での栽培が注目されています。家庭でアボカドを結実させるのはハードルが高いですが、熱心なアボカド好きの方には自宅で栽培する人もいるほど。ここでは、家庭で観葉植物として楽しみながら少しの果実を収穫する育て方から、本格的な栽培と短期収穫までの裏技まで、プロが解説します。
アボカドとは
Krasula/Shutterstock.com
植物名:アボカド
学名:Persea americana
英名:avocado 、alligator pear
和名:ワニナシ
科名:クスノキ科
属名:ワニナシ属
原産地:中央アメリカ
形態:常緑高木
脂質を多く含むことから「森のバター」という愛称でも呼ばれるアボカド。ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、栄養価が最も高い果物とされます。美容効果も高く、高カロリーでも適量ならダイエットにもよいことから、女性からも非常に好まれているようです。
アボカドは、バナナやパイナップルの次に最も多く輸入される熱帯果実の一つ。日本で流通するアボカドの果実は、メキシコ産の「ハス」という品種がほとんどです。近年はペルーからの輸入も増え、2割程度を占めています。
anarociogf/Shutterstock.com
国産のアボカドは和歌山県や愛媛県、宮崎県で生産されています。出荷量が非常に増えていますが、全体に占める割合はまだごくわずかです。ただし国産のアボカドが高値で売れたりしているので、今後さらなる普及が見込まれています。
アボカドは高木に育ちますが、根は地表付近に浅く伸び、台風などの強風で倒れやすいです。また根は酸素不足になると枯れやすいです。風当たりの強い平坦地に植えると、大きく育って実を付ける頃に突然枯れてしまうことも珍しくありません。
葉は大きくたくさん付き、多くの水分を必要とします。特に梅雨明け後の夏の高温乾燥期に水不足を起こしやすいです。アボカドを地植えで育てる場合は、適地に植えることが非常に重要で、灌水設備があるのが望ましいです。
鉢での栽培のほうが排水や樹勢を制御しやすいですが、灌水設備の必要性が高いです。
(広告の後にも続きます)
アボカドの栽培12カ月カレンダー
開花時期:5〜6月
収穫時期:11〜1月
植え付け・植え替え:3月下旬〜4月、10月頃
肥料:3月下旬〜4月、10月頃
種まき:5月頃