「uno(ウーノ)」に山崎賢人さん、「SHISEIDO MEN(シセイドウ メン)」に反町隆史さんと松嶋菜々子さん、「Men’s Biore(メンズビオレ)」に菅田将暉さん、井之脇海さん、ハライチの澤部佑さん――人気のタレントが出演しているこれらのCMはすべて「男性用化粧品」のものだ。2024年の冬、連日テレビでスキンケアを呼びかける。

10~20代の購入金額が近年倍増

化粧品と聞けば女性のイメージが強いが、近年、男性向けの市場が急拡大している。調査会社のインテージ(東京都千代田区)が2023年9月14日に公開した市場動向によると、男性用化粧品の市場規模は、2022年までの5年間で約1.5倍の376億円にまで増加。10~20代の購入金額が23年には17年と比べて2倍近くに増えている。40~50代の購入金額も同じ期間で1.3倍アップしたという。

24年6月に全薬工業(東京都文京区)が20~59歳の男性435人に行ったアンケートでは、全体の59.1%がスキンケアに関心を示している。男性の美容意識が年齢にかかわらず高まっているのだ。

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女性より男性のほうがスキンケアをするべき?

そもそも男性が化粧品を使う必要性があるのか。じつは女性より男性のほうが肌の水分量が低い傾向にあり、肌が乾燥しやすいといわれている。

乾燥肌治療薬「ヒルマイルド」の販売元として知られる健栄製薬(大阪市)のウェブサイトによると、男性の乾燥肌は、表面に皮脂があるものの肌内部の水分が不足している乾燥性脂性肌(インナードライ)の状態が多いという。

対策の1つとして、化粧水、乳液、クリームを使った「保湿」があげられている。男性も乾燥肌に対抗するため、化粧品が必要なのだ。

こんな話もある。クラウドファンディングサービスを展開する「きびだんご」(東京都新宿区)が、19年9~10月に約500人の女性を対象に行った調査で、95.3%の女性が「男性の肌が気になる」と回答している。

男性用化粧品ブランドのキャッチコピーを見ると、unoは「肌はオレらの勝負服」、SHISEIDO MENは「次の一歩に、たしかな自信を」とある。男性が自信を持つために必要になって来たのか。

(リサーチ班 大山雄也)