地震大国の日本において「万が一」のことがいつ起こるか分かりません。
もしもの時に役立ち、普段の暮らしにもなじむ防災のアイデアをご紹介します。

教えてくれたのは・・・
島本美由紀さん
料理研究家・ラク家事アドバイザー、防災士として活躍。『もしもに備える!おうち備蓄と防災のアイデア帖』など著書は80冊を超える。

スーパーで揃う常温保存の食材を消費しつつストック!

災害が起こった直後は、誰しも不安で食欲がなくなりがち。乾パンのような固く乾燥した「非常食」は食べにくく、口にしにくいもの。
また、いわゆる市販のレトルト食品は塩分が高く、のどが渇いてしまうため水が貴重な防災時には注意が必要です。

島本さんはいわゆる「ローリングストック」を提唱していますが、日頃から食べなれたものを「非常食」にも応用する方法が良いのだそう。

「停電しても、数時間は冷気を保ってくれる冷蔵庫を食糧庫と考えて。特に冷凍庫に普段食べているものをストックし、自然解凍しながら食べるようにしましょう。
おすすめなのがサンドイッチ。1カ月近く冷凍保存でき、解凍すればそのまま食べられます。卵やハムチーズなどお好みの具材を作って常備し、日ごろからお弁当やランチに活用するといいですよ」 

災害時は火を使わずに食べられ、傷みやすいものから消費していくのが正解、と島本さん。

例えば、冷凍しておいた小松菜やほうれん草は自然解凍して水気を絞り、醤油をかけておひたしに。

「簡単におかずが作れるよう冷凍しておき、普段の食事でも使う習慣をつけておくと、災害時に慌てずにすみます。常温で長期保存できる紙パックのロングライフ製品も近頃はスーパーで手に入ります。豆腐や牛乳などもあり、手軽に栄養が摂れて役立ちますよ。
あとは、高密度ポリエチレン製のポリ袋で作れる湯せん調理を知っておけば安心です。普段から作り慣れておくことも大切な〝備え〟なので、今日は防災食の日と決めてトライしておくと◎です」


ラップで包んで密閉袋へ。生野菜など入れなければ冷凍保存で1か月持つ。

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〈島本さん流〉
備えておきたい! 防災食グッズ

ロングライフフーズ

長期常温保存できる紙製テトラパックフーズは、畳んで捨てられ、ごみを減らせて一石二鳥。豆腐で半年、牛乳で3か月常温保存可。

高密度ポリエチレン製ポリ袋

使い捨てられて衛生的なポリ袋はゴミ捨てや食材の保存、調理に欠かせない。加熱できるポリエチレン製を大きさ別に多めに備蓄。

ガスボンベ

ボンベ1本で約90分間の使用可。ゴムの劣化が事故の原因になるので消費期限をチェック、定期的に使用して使い慣れておきましょう。

ガスコンロ

電気・ガスが止まったとき、熱源確保の必需品。温かいものを食べると心が落ち着くので、各家庭で1台は必須。コンロの寿命は約10年。

粒状のスープ・コーヒー・お茶など

普段から飲み慣れているコーヒーやお茶を備蓄しておくといい気分転換に。
暖と栄養が摂れる粉末スープも冬場の防災に取り入れたい。

ラップ

食事の際、食器に敷いておけば、はがして捨てられ、洗う手間と水の節約に。
くしゃくしゃに丸めれば、食器洗いのスポンジ代わりにも。