日常を、人生を、もっと豊かに。芸術鑑賞のチケットサブスク「recri」が起こす変革とは?

演劇にしかない意味消費とセレンディピティ。

栗林さんにとって演劇の魅力とは何なのだろうか。改めて聞いてみた。

「数年前、劇団『マームとジプシー』が演じた、ひめゆり学徒隊の物語『cocoon』を観て、これまで事実として知っていたことを、初めて“自分ごと化”することができたんです。それは、目の前で実際に少女たちの表情や涙を目撃し、そこにある感情に触れられたから。生身の人が作り出すものだからこそ、人の心を動かし、人生をも変えられるような力があるんじゃないかと思うんです」

そうした経験は、最近よく耳にするようになった「意味消費」にもつながる部分がある、と栗林さんは語る。

「誰もが、『自分にとって本当に有益なものは何か』と考える今の時代、演劇はまさに、自分のために語りかけてくる芸術であり、唯一無二のものとして価値があるように思います。あちこちで効率化が進み、最短距離が求められる時代でもありますが、結局最後に残るのは、“心の豊かさ”ではないでしょうか。そんな中で、演劇というエンタメは、ますます注目されていくような気がします」

アルゴリズムのおかげで、ネットで出会う情報は自分の“過去”の行動や思考に合わせて最適化してくれる。でも、「日常にあたらしい刺激が欲しい」「人生をもっと充実させたい」そんなセレンディピティを求めるのなら、「芸術鑑賞」と言う新たな扉を開いてみるタイミングかもしれない。その背中を「recri」はそっと押してくれるはずだ。

栗林 嶺(くりばやし・りょう) 

「recri」代表取締役。大学卒業後、電通に入社。クリエイターとして、大企業からアーティストや映画などのエンタメ分野まで、幅広いコミュニケーション設計やクリエーティブ制作を手掛ける。2020年4月より首相官邸のクリエーティブディレクターに就任。同年、エンタメや芸術をより身近なものにするための仕組みをつくるスタートアップ「recri」を起業する。

https://subscription.recri.jp/