コンビニのレジでお釣りに受け取った千円札が、普通のものよりサイズが短かったと、比較する写真がXで投稿され、関心を集めている。

偽札ではないとすると、洗濯などで縮んだのではないかと指摘されている。紙幣を製造している国立印刷局に、この事象について取材した。

市中の銀行で、5分で新札に交換

サイズ変化が見られたというのが、野口英世の肖像が使われた旧千円札だ。

お釣りの千円札は、横方向で、普通の千円札より端の白い部分ぐらいの長さが縮んでいる。縦方向は、それほどではないが、少し縮んでいる。両方を重ね合わせると、その様子が鮮明だ。

これらの比較写真は、こんとらすとさん(@Kontorasut_sub)が2025年1月3日、「なんかサイズ違うんだけどwwww」とつぶやいてXで投稿した。

この投稿は、9万件以上の「いいね」が集まっており、まとめサイトも取り上げて拡散している。

「ニセ札じゃ?」と勘ぐる向きもあったが、「誤って水につけてしまい、その後乾かすとこうなります」「ポケットから出し忘れて洗濯したのかな?」といった指摘の方が多かった。

こんとらすとさんは6日、J-CASTニュースの取材に応じ、お釣りで受け取った千円札を財布に入れたときにサイズに違和感があったため、普通の千円札と並べて縮んでいることが分かったと明かした。最初は、偽札ではないかと思ったが、よく見ると、透かしが入っていたという。

ATMや自販機で、お釣りの千円札が使えるか試すことはせず、市中の銀行にそのまま持ち込んだ。鑑定が必要だと言われたが、偽札ではないとすぐに分かったため、5分ぐらいで新しい千円札に交換してもらったとしている。

千円札が縮んだ最も有力な原因は、水に浸かったことがあるようだ。

国立印刷局の公式サイトでは、「お札に関するよくあるご質問」のコーナーで、「他のお札より小さいサイズのお札があるのですが?」との疑問にこう回答している。

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「素材が紙のため、濡らした後に乾かせば縮んでしまう」

「お札の紙の原料は、みつまたやアバカなどの植物です。天然繊維を原料としているため、長い間使用したり、水に濡れたりするとわずかに縮むことがあります」

千円札がどのくらい縮むかについて、国立印刷局の広報官室では1月6日、取材に対し、「お札がどのような状態か分からないと答えられません」としたうえで、こう話した。

「素材が紙になっていますので、洋服と同じように、濡らした後に乾かせば、ある程度は縮んでしまいます。ATMや自販機で使えるかについては、程度の問題がありますので、一概には言えません。使えないときは、金融機関の窓口で両替してもらえるケースもあります。こちらには、そんなに多くの問い合わせは来ていません」

日本銀行の公式サイトでは、「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて」のページで、「汚染、損傷その他の理由により使用することが困難となった銀行券」については、手数料なしで引換えの対象になるとしている。日本銀行の本支店で受け付け、基本的に当日中に判断して引換えを行うといい、事前の予約を促している。ただ、「偽造または変造されたものと鑑定されたものについては、返却しますので、所轄の警察署にお届けください」と呼びかけている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)