たしかめたいことは
食事の日。嫁と一緒にやって来た息子は、どこか悲しそうで不満そう……。なんとも言えない表情を浮かべていました。そして、意を決したように食事の前に話し始めたのです。
「母さん、俺たちに確認したいことがあるみたいだけど……。実は俺も言っておきたいことがあるんだ」
「何だい? 先に言っておくれ」と私が答えると、息子はこんな苦言を述べてきたのです。
「母さんさ、ぜいたくをし過ぎだよ……。毎月30万も仕送りをしているのに、さらに増やせなんて。母さんはそんなタイプじゃなかったろ?」
私はわけがわからずでした。月30万円なんて申し訳なくてもらえないですし、そもそも1円も受け取っていません。
「30万どころか、まだ振り込まれたことも一度もないけど……」
「えっ……?」
私の顔を見て、息子はウソではないとわかった様子。首をかしげています。すると娘がおもむろに口を開いたのです。
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真相は?
「あら、どうしたんですかお義姉さん。汗、すごいですよ?」
するとそのとき。まさにジャストタイミングで、嫁のスマホに着信があったのです。娘は、慌てふためく嫁にスマホを出すように言い、「やましいことがないなら返答してください」と皆の前で電話に出るように促しました。
場が緊迫する中、明らかに動揺した様子の嫁。スマホを切ろうとして、間違って電話を取ってしまったようです。しかもスピーカーはON!
「もしもし、やっと出たぁ~! 今日もお店でシャンパン、開けてくれるよね? この間は30万だったけど、俺No.1になりたいからさ、増額ヨロシク♡」
私も息子もあ然。慌てふためく嫁は、スマホを取り落としてしまいました。その間も相手はペラペラ話し続けています。
「この間お姑さんと出くわしたとき、話を合わせてあげたでしょ~。いとこだって」