コロナ期の中盤から、アメリカ国内からの観光客を中心に大人気のハワイ。日本人にとっては円安もあってハワイ旅が遠のいているここ数年の間に、大盛り上がり中のホノルルは、着実にアップデートされている。そこで、ハワイを知り尽くす人気コーディネーターyayoiさんが、今もっとも注目されている人気の最新スポットを厳選しておすすめしてくれた。
「The Green Lady Cocktail Room」(ザ・グリーン・レディ・カクテル・ルーム)
〈写真右から〉ジンとパイナップルの「シンガポールスリング」とウイスキーとパンダン、コーヒービターズを合わせた「1819トレーディング・ステーション」(ともに20ドル)
「グリーン・レディ・カクテル・ルーム」は、ワイキキの中心地にあるレトロなモーテルを改装したライフスタイル系ホテル「ホワイトサンズホテル」内のたたずむバー。かつての事務所があった隠れ家のような場所をバーに作り替え、看板はなく、フロントデスクで秘密のコード(記事の最後に発表)を言わないと入れない仕掛け。アルコール飲料の製造、販売、輸送が違法だった1920〜1930年代の禁酒法全盛期に、ワイキキでバーを経営していた中国移民の女性に敬意を表し、ゲストをタイムマシンでその時代に連れ去ってくれるというコンセプトだ。
クリエイティブなクラフトカクテルが楽しめる、100年前の禁酒法時代を思わせる秘密めいた空間
薄暗く神秘的で、ベルベットや南国のボタニカルな装飾で、謎めいた雰囲気のある空間は、スタンディングカウンターの他、テーブル席とソファ席、テラスもある。
最近ハマっているスピリッツは焼酎、と話すマディ。烏龍茶やカカオなど日本ではお目にかかれない遊び心たっぷりの「スーパーノヴァ・ガール」(18ドル)も絶品
ヘッドバーテンダーのマディ・フィネガンを筆頭に、国内トップクラスのミクソロジスト5名が常時スタンバイ。
繊細で複雑な味わいのクリエイティブなカクテルのラインアップは、さっぱり飲みやすいものから、じっくりと飲みたいアルコール度数の高いもの、またノンアルコールカクテルとバリエーションが豊富。ディナーの前にさくっとと一杯でも、ナイトアウトを締めくくる最後の一軒にするのもおすすめ。感度の高いロコたちが集まるこの店に行ってみたかったら、この秘密のコードをホテルのフロントで伝えてみて。「ルーム・エイト・プリーズ(8号室をお願いします)!」
「Green Lady Cocktail Room」
431 Nohonani St, Honolulu, HI 96815, United States
https://www.greenladycocktailroom.com/
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「EP Bar」(イーピー・バー)
前出の「バー・マゼ」のヘッドバーテンダー、ジャスティン・パークが監修したレモングラスとゆずがアクセントの「EPハイボール」(16ドル)
ホノルルのチャイナタウンで、今一番ホットなバーといえば、2022年にオープンしたハワイ初のリスニングバー「イーピー・バー」。レコードを所有することが贅沢だった1950年代から音楽愛好家に整った音響システムでジャズやクラシック音楽を聴かせる場所として人気の渋谷にある名曲喫茶「ライオン」や「JBS」に感化され、音楽を愛するライアン・ミヤシロとクリス・ナカノがオープンした人気店だ。“サウンドセレクター”と呼ばれるDJたちが、3000枚以上もあるレコードからキュレートしたプレイリストをターンテーブルとミキサーで流し、クラシックとモダンを見事に融合させたクラフトカクテルと共に楽しめる。
オーダーに迷ったら「サプライズミー(おまかせで!)」とオーダーするのもおすすめ
クラフトカクテルには、バーディレクターのサマンサ・トラスティが作る自家製のぶどうシロップを合わせた「 巨峰ハイボール」(17ドル)をはじめとする7種のハイボールのほか、黒ごま入りウイスキーベースの「黒ごまマンハッタン」(18ドル)やフォーのスープに使うスパイスをウォッカにインフューズした「フォー・アス・バイ・アス」(17ドル)といった遊び心のあるカクテルまで、一度は飲んでみたいと思わせるメニューばかり。さらに、ハワイではまだ珍しいナチュラルワインも飲めるとあって、感度の高い大人たちが集うスポットとなっている。ジャズからロック、ハワイアンまであらゆるジャンルの音楽が流れる空間で、ここだけでしか味わえないカクテルとともにハワイのナイトシーンの最前線を堪能して。
歴史的な建物を改装したレンガ壁が印象的な店内は、中世の隠れ家のような雰囲気を漂わせている
「EP Bar」
1150 Nuuanu Ave Unit A, Honolulu, HI 96817, United States
https://www.epbar.co/
text: Tomomi Seki Manton
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