注目の若手俳優フローレンス・ピュー、女性が外見によって判断されるハリウッドを嘆く

映画『ミッドサマー』や『ドント・ウォーリー・ダーリン』など、人気作への出演で知られる英俳優フローレンス・ピューが、英紙インタビューで女性の外見ばかりを重視するハリウッドに物申した。マリ・クレール インターナショナルのフランス版デジタル記事よりお届け。

フローレンス・ピューが、イギリスの日刊紙『The Times』のインタビューに応じ、ハリウッドにおける女性の扱われ方に苦言を呈した。この28歳の俳優は、女性が「ある限界を尊重しなければならない」、さもなければ“ディーバ(要求の多い女王気質な女性)”だとみなされる危険がある業界を非難した。

フローレンス・ピューは、女性が常に外見で判断されることにいら立ちを感じている。2024年12月15日(日)に掲載された『The Times』とのインタビューでこの俳優は、ハリウッドにおいて女性であることがいかに「疲れる」ことであったかを説明し、自分のようなスポットライトを浴びる若い女性がどのように扱われているか、そしてなぜ自分がその流れに逆らうことを好むのかについて明かした。

「女性はその才能と美しさにもかかわらず、破壊されていく」

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「女性はある境界線を尊重しなければならず、そうでなければ、わがままで要求が多く、問題を起こす人(ディーバ)と呼ばれる。私は他人が作り出したステレオタイプに当てはめられたくはありません」と彼女は『The Times』に語った。「若い女性がこの業界で働くのは本当に疲れるし、ほかの業界でもそうです。でも、私はいつも声を上げるよう励まされてきました」

彼女はさらに、キャリアをスタートさせた当初は、自分はこの業界を代表しているとはいえないと感じ、業界の掟(おきて)を揺るがしたいと思っていたことを認めている。「キーラ・ナイトレイはもはや痩せていないとか、才能や美しさがあるにもかかわらず、女性たちが潰されているとか、そんな非道な見出しを覚えています」と彼女は付け加えた。「人々が話題にしたがるのは、見た目に関する些細(ささい)なたわごとだけ。だから、私はそういうルールに従いたくなかったのです。私は、自分の気に入らない考え方に挑戦するのが大好きなの」

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「私は、女性がどのように受け止められ、どのように振る舞うべきかということに挑戦したかった」と彼女は続けた。「実際、私は何かに挑戦しようとしたわけではありません。かつてそうでなくてはならなかったのとは違うバージョンの人を受け入れるスペースを作るために、ただそこにいたかっただけです。私は自分自身を貫き、今の自分の見た目でいられたことを誇りに思っています。私がもっと痩せないことにまだ怒っている人や、私の鼻ピアスが嫌いな人たちには本当に興味があります。私は現状をただ変えることはできないでしょう。しかし、これまでなかった会話が生まれるようにすることで、この業界に入ってくる若い女性たちを確実に助けることができます」

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自分の主義のために熱心に取り組む俳優

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フェミニスト運動に熱心な俳優フローレンス・ピューは、女性らしさや自己受容の問題について定期的に発言している。2023年8月、彼女はファッション誌のインタビューで、自分の身体との関係について次のように語った。

「私が自分の身体についてこのように話すのは、太もものセルライトや腕と胸の間の小さなたるみを隠そうとしているわけではないからです。私はすべてをさらけ出すのが好きです。私がもっとも怖いのは、私が“見せ過ぎ”たことで、人々が動揺するような場合です」と打ち明け、2022年夏にシースルーのドレスを着たことで起きた、乳首をめぐる論争に言及した(ローマで行われたヴァレンティノのオートクチュールショーのレッドカーペットで、バービーピンクのシースルードレスを素肌にまとい、乳首が透けて見えると物議を醸した)。

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それ以前の2022年、彼女は俳優としての役割についても英紙『Telegraph』に語っている。『フォーリング 少女たちのめざめ』で映画デビューしたばかりの彼女が、19歳でFoxのシットコム『Studio City(原題)』で主役の座を射止めたとき、スタジオの上司たちから屈辱的な扱いを受け、俳優になることは「大きな間違い」だと思ったと説明した。スタジオの重役たちは、彼女の外見を変えるよう求めたと伝えられている。

「彼らが私について変えようとしていたことすべて、それが私の体重、私の外見、私の顔の形、眉の形であっても、私がやりたかったこととはまったく合わないものだったし、私が働きたいと思う業界ではなかった」と彼女は打ち明けた。

※(   )内編集部注

translation & adaptation: Akiko Eguchi

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