春蘭の名前の由来と花言葉
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春蘭は、その名の通り春に咲く蘭であることから名づけられました。
春蘭の学名(Cymbidium goeringii)は、Cymbidiumがギリシャ語で船を意味するcymbeと形を意味するeidso、goeringiiは植物採集家のグーリングが由来です。
代表的な別名であるホクロは、唇弁の斑をあらわした呼び名です。なお一説にはハクリと呼ばれる薬草に用途がよく似ていたことから、ハクリと混同して呼ばれ始め、やがてホクロに変化したとされています。
春蘭は、素朴で美しい花姿から「控えめな美」、うつむき加減で横向きに咲き、主張が少ないことから「飾らない心」、また林床部の薄暗い中でもしっかりと存在感を漂わすことから「気品」などの花言葉が与えられています。
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春蘭の代表的な種類
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春蘭は基本的にシンビジウム・ゴエリンギーを指しますが、コラン・カンラン・スルガラン・ナギラン・ヘツカラン・アキザキナギランなどたくさんの仲間がいます。カンランをはじめとする仲間は育て方も似ており、春蘭に近似のグループとして扱われます。
同じラン科でも少し違うのがエビネランです。エビネランはエビネ属(カランセ属)で、春咲きと夏咲きがあります。春蘭が1茎に1つの花を咲かせるのに対し、エビネは1茎に10~30輪の小ぶりな花を、穂のように咲かせます。野生のエビネランはほかのエビネ類と交わりやすく、交雑種が多数存在するのも特徴です。
エビネラン。High Mountain/Shutterstock.com
なお、エビネランは春蘭と同じく、偽鱗茎(バルブ)と呼ばれる、水分や栄養を蓄える部位を持っています。このバルブがエビの背に似ていることからエビネと名づけられました。
このグループに含まれるものにはいくつかの種類があります。代表的な種は、以下になります。国内のシュンラン属は樹上着生のヘツカランを除き、ほかは土壌に根を張る地生ランです。また亜種や変種、シュンラン属同士の自然交雑種などもあります。
なかには根に共生した菌類から栄養をもらって成長する菌従属栄養植物(腐生植物)というカテゴリーに分類されるものもありますが、これは栽培に向きません。
国内のシュンラン属
ホソバシュンラン
Cymbidium goeringii var. angustatum
カンラン
Cymbidium kanran
ナギノハヒメカンラン
Cymbidium × nomachianum
スルガラン
Cymbidium ensifolium
コラン
Cymbidium koran
ヘツカラン
C.dayanum Reichb. fil. var. austro‐japonicum
オオナギラン
Cymbidium lancifolium
ナギラン
Cymbidium lancifolium
アキザキナギラン
Cymbidium javanicum var. aspidistrifolium
ホウサイラン
Cymbidium sinense
マヤラン
Cymbidium macrorhizon
サガミラン
Cymbidium macrorhizon f. abberans
ハルカンラン
Cymbidium × nishiuchianum