進む自由への不当な干渉……「無制限に拡大する」社会の権利
これ以上例を挙げても意味はない。実際問題として、個人の生活の自由に対する不当な干渉はいたるところで行われている。しかも、そのような干渉は、今後いっそう極端なものになっていくだろう。
社会は、悪だと見なすものをすべて禁止する無制限の権利をもつ。しかも多くの人は、悪を根絶するためなら、悪だと見なされていないものも無制限に禁じていいと考えている。
ジョン・スチュアート・ミル
政治哲学者
経済思想家
※本記事は、約165年前に出版された19世紀を代表するイギリスの政治哲学者、経済思想家ジョン・スチュアート・ミルの「自由論」を基にした新訳書籍『すらすら読める新訳 自由論』(著:ジョン・スチュアート・ミル、その他:成田悠輔、翻訳:芝瑞紀、出版社:サンマーク出版)からの抜粋です。