1.お局さま(おつぼねさま)ってどんな人?

在籍が長く周囲とうまくなじめないメンバー

「お局さま」とは一般的に、職場の在籍が長く、同僚との人間関係に摩擦を生む女性メンバーを指します。このように呼ばれてしまう要因としては、同僚に対する高圧的な態度や、過度な独自ルールへのこだわりなどが挙げられることがあります。

ただし、お局さまと呼ばれる背景には、年齢や在籍年数だけでなく、職場の文化やコミュニケーションの課題が関係していることもあります。在籍する職員が入れ替わり、職場環境が変化するなかで価値観の変化が生じ、それが人間関係の摩擦として表面化してしまうこともあるでしょう。

年齢、性別、既婚・未婚は関係ない

「お局さま」という言葉から、中高年の女性をイメージするかもしれませんが、実際には年齢や性別、既婚・未婚は関係なく「お局さま」とされる人が存在します。たとえば、職員の入れ替わりの激しい職場では20代であっても、周囲にネガティブな印象を与える言動が多いと、「お局さま」だと感じられてしまうケースがあるでしょう。

また、女性特有の問題と考えられていますが、男性でもお局さまと同様に扱われてしまうケースもあります。

tips|「お局さま」の由来は?
「局」は宮殿内の別々に仕切った部屋やそこに住む女官を意味する言葉で、これが転じて重要な身分の女性を指す敬称となりました。一説には1989年に大河ドラマ「春日局(かすがのつぼね)」が放送されたことで、一般的な言葉になったともいわれています。

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2.お局さまとの付き合い方はどうしている?

医療・介護・保育領域で勤務するなかで、お局さまとの付き合い方に悩んだ経験がある人もいるのではないでしょうか。そこで今回、これらの現場で働く1,610人に、「職場のお局さまとの付き合い方」に関するアンケートを実施しました。職場の人間関係に困っている人は、これらの処世術を参考にしてみてください。


参照:カンゴトーク、カイゴトーク、ホイクトーク

第1位:聞き流す・相手にしない

今回のアンケートでは、50%以上の人が「聞き流す・相手にしない」と回答しました。職場では苦手な人とは距離を取りながら、人間関係を保つ人が多いようです。

▽アンケートへのコメント

・今日はご機嫌斜めみたいくらいにしか考えていないので、あまり気にしていません
・関わるだけ損する
・近寄らない。触れない。接しない。

第2位:お局さまをほめてみる・下手に出る

2番目に回答が多かった対処法は、「お局さまをほめてみる・下手に出る」の15.0%でした。業務で助けてもらった場合は率直に感謝を伝えたり、良い行動をポジティブに伝えたりしながら親しくすることで、働きやすい環境にするという声もありました。

▽アンケートへのコメント

・御局様は皆自分が偉い!と思っているのと頭でっかちなので下手で持ち上げてないとやってけないです。もうユニット異動したいくらいです
・懐に入ると案外可愛がってもらえて働きやすくなったパターンがこれまで多かったです。
・癖のある主任先生に毎日ごますりして積極的に話しかけていたら、仲良くしてもらえるようになりました!

第3位・第4位:仲間に相談する・上司に相談する

「仲間に相談する」は8.0%、「上司に相談する」は5.9%と、お局さまとの関係について周囲に相談する人はあまり多くないようです。アンケートに寄せられたコメントでは、相談したものの、具体的な対策は講じられなかったとの声もありました。

▽アンケートへのコメント

・相談しましたが、特に対策ありませんでした。が、時が経ち、なぜかお局様と仲良くなりました。対話すれば、人柄がみえて互いに理解できたのだと思います。仲間意識が重要なのかも

第5位:転職する

アンケートでは5.6%が「転職する」と回答しており、人間関係が医療・介護・保育の現場の課題の一つであることが伺われます。

▽アンケートへのコメント

・3施設目ですが、1つ目の施設では、泣き寝入り。2つ目の施設では、嫌すぎて転職しました。そして、3つ目の今の施設にはいません
・今回、お局ナースが理由で転職します。子供のような意地悪から始まり、褥瘡の出来ている利用者の報告をしても、見ないようにもなっていたので、自分の身を守る為にも決めました。

第6位:反論する・やり返す

状況に応じて反論したり、やり返したりする人もいます。アンケートでは4.6%が該当し、なかには「若いからといって、なめられては困る」といった意見もありました。ただし、感情的な対立を避けるため、状況を冷静に見極めたうえで行動することが重要です。

▽アンケートへのコメント

・幼稚園の頃、ママに「やられたらやり返せ」と教わってきたのでその通りにしています
・笑顔で「口が過ぎる。うるさいですよ」と言って、黙らせたことがあります苦笑。今考えるとゾッとします!若気の至りでしたね!