中古マンションを見るときのポイントは?
さて、この、最初の日の内覧は、不動産業者の営業担当がいい人で、マンションAの解体中の室内を、案内してくれました。壁の作りはこうなっているとか、専有部分の配管は取り替えるなど、細かく説明してくれて、リノベーションのイメージが具体的になりました。(しかも、この営業担当とは、思わぬご縁で再会します)。Aマンションは価格が高いことと、電気温水器使用(部屋の中に大きなタンクがあり、電気で温めて給湯している)が懸念点に。
内覧させてもらった、解体途中のマンションA。これは、一部既存の壁を活かした状態。水回りを移動させる場合は、床はすべてはがして解体。解体工事は大変だし、ごみもたくさん出るんだな……と実感。
マンションBは営業担当おすすめの物件。大手ゼネコンが手掛けた物件で、建物はしっかりしています。しかし、管理規約で床はカーペット敷という規則(つまりフローリング不可)。価格が安いのはそのせいのようです。マンションによっては、このように管理規約でリノベーションの内容を制限していることがあるので、不動産業者に確認を。
マンションCは、川沿いの眺めのよい部屋ですが、こちらもリノベーション中物件でした。ただ、広くないLDKにカウンターキッチンがドーンとあり、ここにダイニングセットやソファを置いたら狭くなるだろうな……と想像できます。キッチンを壁付けにしたり、小さなワークスペースをなくせばもう少し広くなりそうだったので、間取りが残念です。
さらに、この物件、キッチンまわりの床が一段高くなっている。トイレやお風呂などの水まわりも廊下と段差がありました。古い物件は、床下の配管の関係で、このように「水回りの床が一段高くなっている」というのが、実は多いのです。
ささいなことにも思えますが、これから年をとっていく50代だから、段差はできるだけ少なくしたい。ねぼけてトイレに行って、つまづくのもいやなので、除外しました。
築古マンションの欠点としてほかにも、「梁が多くて天井が低い」というのがあります。梁があるのは構造上しかたないですし、梁と壁の位置を合わせたりすることで、目立たせなくできます。ただ、水回りの段差は解消しづらく間取りにも影響するので、注意が必要です。
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新耐震であることを重視するか、否かの問題
そして、もうひとつ、中古マンションを選ぶうえで気になるのが、耐震基準。建築基準法の耐震基準は、1981年6月に切り替わっていて、それ以前に建築確認されたものを旧耐震、以降のものを新耐震と区別しています(建築確認された時期なので82~83年築にも旧耐震物件が含まれています)。新耐震のほうが、安全性が高いと考えられるため、旧耐震よりも物件価格は高くなります。住宅ローン控除など、税制面でも新耐震と旧耐震では扱いが異なります。
旧耐震は耐震面でリスクがある一方、価格は安く、好立地でゆとりのある敷地に立っている場合がある、というメリットがあります。あくまで新耐震にこだわるのか、気に入った物件ならば旧耐震でもよしとするのかは、価値観次第です。ちなみに、この日、私たちが内覧した3軒はいずれも旧耐震でした。旧耐震を選んで見に行ったのではなく、価格や立地で探したら、旧耐震だったのです。
この日見た3軒のなかでは、マンションAがいちばんよかったのですが、想定していた予算よりも500万以上オーバー。同じマンションで、リノベーション前の部屋が出たら、チェックしよう!と思うのにとどまりました。