2025年も東京のレストランシーンの盛り上がりはとどまることを知らない。
今年さらに人気になること間違いなしの店を一挙ご紹介!
1.会員制フレンチがベールを脱いだ!官能的な美味を供する熟練シェフの見事な手腕
『Miyazaki』@銀座
2024/8/1 OPEN
キャビアに毛蟹、オマール海老……調和の見事さに感じるシェフの美学
旨み豊かな飛騨牛の上に降りかかるトリュフの芳醇な香り、キャビアを贅沢にのせたスペシャリテの「キャビア・オシェトラ ウッフ・ア・ラ・ネージュ」と、リシェスな一皿ひと皿でゲストを非日常の世界へと誘い込むのは宮﨑 修総料理長。
宮﨑シェフはパリの『ルキャ・キャルトン』など数々の名店で腕を振るってきた達人だ。そのレジェンドの味をこの8月から広く味わえるようになった。
というのも、会員制社交倶楽部「CITY CLUB OF TOKYO」が、移転リニューアルを機に会員オンリーだったフレンチレストランを一般にも開放。
宮﨑総料理長自らが腕を振るう、その名も『Miyazaki』としてスタートした。
伝統と革新のコンセプトの下、生産者を訪ね歩き自身の目で納得した日本の食材も用いつつ、正統派のフレンチを楽しませてくれる。料理を彩る骨格のしっかりしたソースはさすがの旨さ。
「釧路沖・毛蟹ロワイアル/ビスク」。
フルフルと柔らかなロワイアルは、いわば洋風茶碗蒸し。蟹とオマール海老のアラで作るビスクも濃厚だ。
飛騨牛に白トリュフを纏わせたひと皿は、フレンチの真骨頂たる妖艶さがある
炙った飛騨牛の上にたっぷりの白トリュフがかかった「トリュフ/飛騨牛A5 モモ肉/クロケット」。
削りたての芳醇な香りもご馳走だ。下のコロッケも飛驒牛入りでリッチな味わい。
光のトーンを落としたダイニングへのアプローチの壁には、ワインを保管するためのセラーを内蔵。フランスは、ブルゴーニュやボルドーの銘柄ワインとシャンパーニュが中心。¥19,800のコースは、日本酒を含めた¥13,200~のペアリングも追加可能だ。
グランヴァンから国産まで、豊富にそろうワインとともにペアリングを楽しみたい。
店内は明るくゆったりとした時が流れるモダンな空間が広がる。
2.神泉の路地裏にひっそり佇む深夜イタリアンは、大人のお忍びデートにうってつけ
『Luna e Gatto(ルナ エ ガット)』@神泉
2024/7/29 OPEN
山手通りから1本入っただけで驚くほどの隠れ家感に包まれる
神泉の交差点のほど近く、旧山手通りから入った路地に、実直な料理とワインを味わえるコージーなイタリアン『Luna e Gatto』が誕生した。
ワンオペで店を切り盛りするシェフの山中啓輔さんは20年に渡り人気を博した『DAL-MATTO 西麻布本店』で、長らく料理長を務めたベテラン。今年7月、満を持して自身の店を構えた。
6皿からなるおまかせコース(¥11,000)は、温・冷2種類のパスタが盛り込まれた充実の内容。
メインの後に登場する温かいパスタは、冬らしく白子と九条ねぎで。
旬の食材を使った冷たいパスタも定番。
キャビアとからすみのスパゲッティーニに、毛ガニを添えて華やかに。
また『DAL-MATTO』時代に存在を知ってその美味しさに感動し「将来自分の店のスペシャリテにしたい」と思い続けていたという静岡「長谷川農産」のジャンボマッシュルームは、時季によりアレンジを変えて常時メニューに組み込む。
さらに21時以降はアミューズ・冷製スープ・ジャンボマッシュルームのオーブン焼きに、パスタを選べるショートコース(¥4,950)も登場。
深い時間に軽く料理とワインを楽しめる、夜の最適解として覚えておきたい。
3.名店育ちの新鋭が“食堂”を開業。御苑が早耳の食通で静かに賑わう
『食堂わた』@新宿御苑前
2024/9/24 OPEN
“おぎ乃”仕込みの鮮やかな逸品で一杯飲むという贅沢さたるや!
『赤坂おぎ乃』、『西麻布野口』を筆頭に、錚々たる名店で研鑽を積んだ若き新鋭・櫻井 航さん。
だが、彼の目指すのは高級割烹ではなく街の定食屋。その名も『食堂わた』。新宿御苑の外れに、オープンしたばかりの注目店だ。
「近所の人が毎日でも通えるような大衆的な店にしたくて」と語る櫻井さん。
その想いは、一流店での修業中もぶれることなく初志貫徹。夜は和食居酒屋、昼は定食とフル回転。割烹で磨いた腕を随所に見せつつ、メニューや価格は至って庶民的だ。
ニラのお浸し¥600から一番高い土鍋ご飯も¥2,800。
「フルーツ白和え」¥800。
白和えの衣には、マスカルポーネを加え、ワインにも合うよう仕上げる。
「鮭いくら木の子ご飯」¥2,800。写真で2~3名分。
お米は、群馬県川場村の雪ほたか。きのこは、一度炭火で焼き香ばしい風味をつけてから、ご飯を蒸らす際に加えている。
お造りなどはクエに鮪、白イカの3種で¥1,500のお値打ち価格。
それでいてイカには丁寧に隠し包丁を入れ、ネットリとした甘みを引き出すなど修業先で学んだノウハウがさりげなく施されている。
ランチでも割烹の技が冴えわたる
それは、昼のおばんざい定食も然り。
お刺身、イカのぬた和え、卵豆腐、鶏柚子胡椒天ぷらなど10種ほどが入るおばんざい定食は、和食の八寸のよう。ご飯と味噌汁が付いて¥1,800。昼限定10食ゆえお早めに。
割烹の味を居酒屋感覚で味わえる願ってもない一軒だ。
4.数多の名店を牽引した名ソムリエが新たに仕掛けるワインダイニング
『AVIS de VIN FORT(アヴィ ド ヴァンフォール)』@青山一丁目
2024/10/16 OPEN
(※本文に店名『AVIS de VIN FORT』の追加をお願いいたします。)
青山一丁目の裏通りに忽然と現れた注目の新アドレス!こなれたゲストが集う
圧倒的なラインナップを誇る、ワインラヴァー垂涎のダイニングが出現した。
それもそのはず、ここを運営するのは日本有数のワインインポーター「テラヴェール」。
フランス、イタリア、スペインそしてジョージア、日本を中心に取り扱い銘柄は約2,500種類と聞けば、自ずとこの店のワインリストの充実ぶりが分かるというもの。
共鳴し合う料理とワインが、ここで過ごす時間をより豊かに彩る
スタッフもまた、精鋭ぞろいだ。
マネージャーを務めるのは銀座『レカン』、青山『アクアパッツア』、自由が丘『mondo』などフレンチとイタリアンの名店で活躍したソムリエ・田村理宏さん。
料理は、フレンチ担当の井原摩耶さんとピエモンテでの修業経験を持つ瀧本貴士さんのWシェフ体制で、タパスから力強い素材を使うメイン、締めのパスタと、伸びやかな料理を取りそろえる。
「千葉県産花愁仔豚のコチニージョ」は、井原さんがスペイン・セゴビアで出合った郷土料理を再現。
¥4,500(写真は6名分相当)。
レモンと青唐辛子が爽やかな「ツナのレモンパスタ」(¥2,800)は瀧本さんの名品。
「鯖のマリネ 茄子とパクチー」(¥1,300)は、タイのハーブや台湾胡椒の「馬告」が香るエスニックテイストの一品。
青山一丁目の裏通りにあるアットホームな居心地の良い空間で、ゆったりくつろぎながら多彩なワインとの自由なペアリングを楽しみたい。
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