2025年4月13日の大阪・関西万博の開幕まで3か月に迫った。3か月前にあたる1月13日には、すでに販売を終了した「超早割一日券」以外の券種で、パビリオンやイベントの抽選申し込みが始まる。

会場となる人工島の夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)では工事が続く。24年12月20日には現場が公開され、約100人の報道陣が参加した。その様子を全5回にわたって伝える。

大屋根リングの内側には万博会場、外側には対岸の風景

万博には158か国・地域が参加。パビリオンは84棟あり、そのうち最も多いのが、参加国が独自のデザインで建てる「タイプA」42棟(47か国)だ。シンボルの「大屋根リング」の内側にある。

国産のスギやヒノキ、外国産のオウシュウアカマツから組み立てられ、全長2キロの大屋根リングは24年8月にひとつにつながり、2月下旬の完成に向けて工事が続いている。屋上にあたる「リングスカイウォーク」は2層構造で、高さ12メートルの1段目には階段で登り(完成後はエスカレーターも使用できる)、そこからスロープで高さ20メートルの2段目まで登った。

リングの内側には会場が一望でき、すでに多くのパビリオンが姿を見せている。外側に目を向けると神戸や尼崎方面の対岸も視界に入る。芝生などの植栽工事も進んでいた。

取材に応じた日本国際博覧会協会(万博協会)の高科淳・副事務総長によると、1年前はリング内部のパビリオンも「まだ、まばらな感じ」だったが、今は「あまり隙がないぐらいに、いろいろなものが立ち並んでいるところまで来た」。最後の「タイプA」の着工は24年12月上旬までずれ込んだ。この点については

「最近着工したところもあるが、かなり立ちならんでいる状況が見えると思う。これで『全体の何パーセント』という数字は言いづらいが、そういう意味では建設工事自体は軌道に乗ってきた」

としている。

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「160以上の国が半年間にわたって、リングの中にずっと一緒にいる機会」

分断が深まる世界だからこそのリングの意義にも触れ、「160以上の国が半年間にわたって、リングの中にずっと一緒にいる機会は、あまり他では考えられない」。万博にはウクライナも出展を表明しており、

「そういった国々も含めて、そういった人と一緒になって、つながりの大切さみたいなもの、あるいは(万博のテーマが)『いのち輝く 未来社会のデザイン』」なので、命の大切さを一緒に考えてという意味で、すごく貴重な機会になるのでは」

などと述べた。

万博協会では開幕までに1400万枚の前売り券を販売したい考えだが、現時点ではその半分強にとどまっており、PRのあり方が課題だ。高科氏は10月13日まで続く会期の「前半」の訪問をアピールしていた。

「後半はかなりの人数が来られる可能性が高いと思っているが、前半の方が、おそらく比較的ゆっくり見ることができる」

具体的には、

「4月から5月、6月あたりの平日が特にいいと思っている」

そうだ。

報道陣は会場までバスで移動したが、公共交通機関の整備も進んでいる。今はコスモスクエア駅(住之江区)が終点の大阪メトロ中央線は、1月19日に新駅「夢洲駅」が延伸開業する。駅の出口と万博の東ゲートは目と鼻の先だ。

地下鉄以外にも、会場外の駐車場までマイカーで移動し、シャトルバスに乗り換える「パーク・アンド・ライド」や、主要駅からのシャトルバスが整備される予定だ。

(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)