今回の「FPに聞きたいお金のこと」は、正社員として働く20代女性Aさんからのご相談です。もうすぐ産休・育休に入られる予定で、扶養に関して疑問をお持ちです。扶養控除の仕組みや対象者について整理した上で、産前産後、育児休業中の対応について解説していきます。
20代女性Aさんからの相談内容
現在妊娠中です。今はまだ働いていますが、産休と育休を取る予定です。妊娠したら夫の扶養に入れると聞いたのですが、本当でしょうか?正社員で夫の扶養には入っていないのですが、その場合も対象になりますか?条件や手続き方法などを教えて頂きたいです。
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夫婦間での扶養の仕組み
夫婦
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扶養とは「収入が少ない家族や親族を経済的に支援する」という意味です。今回のケースでは、出産にあたりお仕事をお休みされる妻Aさんが夫の扶養に入れるかどうかが焦点となります。
夫婦間での扶養には、次の2つの仕組みがあります。
1.社会保険上の扶養
年収が106万円以下もしくは130万円以下なら、配偶者の社会保険上の扶養に入ることで、健康保険料や年金保険料を自分で払わないで済むことが可能です。一方で、お勤め先の企業規模にもよりますが、年収が106万円以上もしくは130万円以上の場合は、自分自身で健康保険料や年金保険料を支払います。
2.税法上の扶養
税法では、一定の要件を満たす親族を扶養する場合、扶養控除や配偶者控除、配偶者特別控除などの所得控除を受けられます。本人の給与収入が103万円以下であれば所得税が発生せず、配偶者も各種の所得控除を活用して手取りを増やすことが期待できます。これは、よく話題になる「103万円の壁」として知られています。
今回のケースではAさんの育児休業期間中の給与所得が103万円以下なら、税法上の扶養に入っていると言えるでしょう。