
冠動脈の病変に対しては、追加で治療が必要になることもある
重症度にもよりますが、冠動脈の病変に対しては、川崎病の他の症状が改善した後も薬を飲み続けたり、場合によってはカテーテル治療 (※) や手術が必要になる場合があります (参考文献 1, 4) 。これらの治療は、冠動脈瘤の中で血栓を作ったり、心筋梗塞になったりすることを防ぐためのものです。

※カテーテル治療のイメージ図 (看護 roo ! 看護師イラスト集より)
細長い医療機器を血管に沿って入れていき、その先にある冠動脈の治療をします
冠動脈後遺症の約半数は1年以内に回復に向かっていくとされていますが、冠動脈瘤の重症度が高い場合には、時間がたっても冠動脈の形が戻らずに、長い期間後遺症として残ってしまうことが多いです (参考文献 1, 3) 。
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川崎病の後遺症は日常生活にも影響を及ぼすことがある (参考文献 3)
冠動脈病変が後遺症として残った場合、その重症度によっては生活や運動に制限がかかることがあります。例えば、大きな冠動脈瘤が残ってしまった場合や、冠動脈の病変によって冠動脈が狭くなってしまった場合、強い運動をすることを禁止される場合があります。
この強い運動には、かけっこやサッカーをはじめとした競技、クロール (水泳) 、激しいダンスといったスポーツのほか、登山やサーフィンといった野外活動、トランペット・トロンボーンなどの体力を相当使う楽器の演奏などの文化的活動まで含まれます。
このように、冠動脈の後遺症は、昨今よく言われる Quality of Life (生活の質) に大きく関わってくることがあります。