面接では、第一印象や社会人として必要なマナーが身についているかを総合的に判断されます。自己PRや志望動機の良し悪しだけで合否が決まるわけではありません。

とくに、医療・介護・福祉・保育・美容・ヘルスケア業界では、人と接する機会が多いため、話し方や態度、身だしなみといったマナーが重視されます。面接官はこうした要素を通じて「この人に仕事を任せられるか」を判断します。

基本的なマナーを身につけることは面接通過の第一歩です。正しく押さえて、面接官に好印象を残せるよう準備しましょう。

1.訪問前から控室までのマナー

確認するのはこの5つ!

(1)身だしなみの最終確認
(2)スマートフォン・携帯電話の電源を切る
(3)コートは建物に入る前に脱ぐ
(4)面接会場には10分前までに到着し、5分前に受付する
(5)建物に入ったら気を抜かない

(1)身だしなみの最終確認

自宅を出る前、そして面接会場の建物に入る前に身だしなみを確認しましょう。

身だしなみのチェックポイント

【女性】

髪型に清潔感があるかメイクは濃過ぎないかストッキングは破れていないか爪の長さが適切か結婚指輪以外の不要なアクセサリーは外しているか靴は汚れていないかタバコや過度な香水のにおいはしないか

 

【男性】

髪型は寝癖やフケなどがなく整っているかひげの剃り残しはないかスーツにフケやホコリは付いていないかシャツのボタンが外れていないかネクタイは曲がっていないか靴は汚れていないか爪の長さが適切か結婚指輪以外の不要なアクセサリーは外しているかタバコや過度な香水のにおいはしないか

なお、前日までに準備しておきたい持ち物や服装、想定される質問への用意などについては、こちらの記事で解説しています。

(2)スマートフォン・携帯電話の電源を切る

建物に入る前に、スマートフォンや携帯電話などの音の出る電子機器の電源をオフにし、バッグにしまいましょう。電源を切れない場合はサイレントモード(バイブレーションオフ)に設定してください。

(3)コートは建物に入る前に脱ぐ

コートやマフラー、手袋を身につけている場合は建物に入る前に取り外し、マフラーや手袋はバッグの中にしまいましょう。脱いだコートは内側を表にしてコンパクトにまとめ、片方の腕に抱えます。

(4)面接会場には10分前までに到着し、5分前に受付する

面接会場には10〜15分前を目安に到着しましょう。早く着いてしまった場合は会場の近くで時間を調整してください。

受付は約束時間の5分前におこなうのが基本です。受付では次のように面接に来たことを伝えましょう。

受付で伝えること

自分の名前訪問の目的訪問する相手の名前

(5)建物に入ったら気を抜かない

面接は会場の建物に入った瞬間から始まっていると思って行動しましょう。面接マナーが完璧でも、受付や控室での立ち居振る舞いが悪いと評価が下がる可能性があります。

受付・控室でのマナー

正しい姿勢で座る(背中を丸めたり足を組んだりしない)落ち着いて過ごす(キョロキョロしない、爪をいじらない、貧乏ゆすりをしない)スマートフォンは極力操作しない(電源を切りバッグにしまう)職員とすれ違ったら軽くお辞儀をして「こんにちは」と挨拶する

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2.入室時のマナー

面接室に入るパターンは「面接官に案内されて一緒に入る」「面接官の待つ部屋に入る」「面接官があとから入室してくる」の3つです。それぞれの場面での適切な対応を紹介します。

面接官に案内されて一緒に入る場合

この場合は、面接官が来た際に挨拶をし、案内に従って入室します。座るのは「どうぞお掛けください」と言われてからですので注意しましょう。

面接官の待つ部屋に入る場合

面接官がいる部屋に入室するときは、相手に聞こえる程度の強さでドアを3回ノックします。ドアが開いている場合はノックは不要です。入室前に「失礼いたします」と声をかけてから入りましょう。

面接官があとから入室してくる場合

入室後、「こちらにお掛けになってお待ちください」と指示されたら、その席に座って待ちます。面接官が入室したら立ち上がって挨拶し、着席を促されたら座りましょう。

バッグやコートの置き場所は?

いすの横にバッグを置きます。コートがある場合はバッグの上に畳んで重ねて置くか、畳んだ状態でいすの背もたれに掛けてください。ただし、コートを広げて背もたれに被せるのはNGです。