1.「転職回数が多いと不利」って本当?

近年、転職をする人の数は増加しています。厚生労働省の調査によると、2024年の転職者数は331万人と3年連続で増加し、転職は一般化しつつあります。そのため、1〜2回の転職で選考が不利になる可能性は低いといえます。

しかし、20代で3回以上、30代で5回以上など、転職回数が多い場合、採用担当者から「またすぐに辞めてしまうのでは?」と早期退職を懸念され、不利になる可能性があります。


出典:厚生労働省|令和2年転職者実態調査の概況

ただし、転職の理由や経歴の伝え方次第で、経験の多さを強みに変えることが可能です。実際に、多様な職場で培ったスキルが評価され、転職に成功している人もいます。

次の章からは、転職回数が多い人に向けた、面接の受け答えと、職務経歴書の作成のポイントを解説します。

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2.転職回数の多い人が面接で聞かれる質問の例

まずは、面接でよく聞かれる転職回数に関する質問を紹介します。

Q.転職回数が多いのはなぜですか?

<面接官のチェックポイント>

長く働いてくれるか応募者が仕事で実現したいことと、自社の理念が合っているか

<回答のポイント>

長期就労の意欲をアピール退職理由はポジティブに伝える

<回答例>

ヘルパー10年目:特養→有料老人ホーム→訪問介護事業所→訪問介護事業所の例

「利用者さまに寄り添った介護を提供したい」という思いから、転職を重ねてきました。特養や有料老人ホームでの業務を通じて、個々の利用者さまに適した介護が重要だと実感し、現在は訪問介護事務所で働いています。

現職では、ヘルパー兼教育担当として、後輩の指導に携わっています。今後はより高度なマネジメントスキルを身につけ、現場全体の質を向上させていきたいと考えています。そのため、研修制度が整った事業所を中心に転職活動を進めています。

これまでの転職経験をとおして、自分の理想とする介護が明確になりました。この経験を活かし、次の職場では腰を据えて働きながら、人材育成と利用者支援の両面で貢献していきたいと考えています。

Q.これまでの職場で学んだことを教えてください

<面接官のチェックポイント>

学習の意欲や習慣応募者のスキルや強み

<回答のポイント>

学びを次の職場でどう活かすか伝える失敗があれば、その理由とそこからの学びも伝える実績があれば具体的に伝える

<回答例>

看護師5年目:一般外来→有料老人ホーム→クリニックの例

過去の職場でとくに印象深かった学びは2つあります。

1つ目は、病院が患者さまにとって不安な場所だと再認識できた点です。重症度の低い患者さまが「身体の異変を知らされるのが怖い」と話しているのを聞き、患者の気持ちに寄り添う重要性を改めて認識しました。

2つ目は、多職種連携の重要性です。有料老人ホームでは、病院と比べて一人の役割が多く、慣れるまでに時間がかかりました。介護職員やリハビリ職、医師と協力することで、より良い看護を提供できるようになり、自信を持てるようになりました。

これらの経験を活かして、御院のチーム医療に貢献し、患者さまが安心できる環境を提供したいと考えております。

Q.前職を退職してからの空白期間はどう過ごされていましたか?

<面接官のチェックポイント>

働く意欲健康面

<回答のポイント>

現在は問題なく働けることを伝える転職活を始めた理由やきっかけを伝えて就労意欲をアピールする

<回答例>

介護職 5年目:特養→介護医療院→有料老人ホーム

前職ではまとまった休暇を取れなかったため、3ヶ月間は充電期間として旅行などに行き、リフレッシュに充てていました。

リフレッシュ期間中に近所の高齢者と会話した際に、再び現場に立ちたい気持ちが生まれ転職活動を始めました。現在は知識とスキルをキャッチアップするため、書籍やインターネットで情報収集をおこなっております。