これぞ、求めていた理想の朝ごはん。鹹豆漿には黒酢をかけて。甘めのミルクティーとともに。


メニューが多く、何を注文すべきか迷うところ。


テイクアウトする地元民もたくさん並んでいた。


角地に佇む。グリーンのひさしが目印。

台中で偶然出合った、さらっとタイプの鹹豆漿。

 台湾ならではの朝食、鹹豆漿(シェントウチアン)。少し塩っ気のある豆乳スープに、揚げパンの油條(ヨウティアオ)を浸して食べるとおいしくて、台湾に行くたびに必ず食べるメニューのひとつ。日本でも食べる機会があるものの、なんだか味が違うんですよね。スープの塩加減と油條のちょっとした甘さのバランスは、本場でしか味わえない黄金比率がきっとあるんだと思います。ちなみに、台北でのお気に入りの店は『鼎元豆漿(ディンユエントウチアン)』。程よい甘さの油條がスープを引き立て、素晴らしい味のハーモニーを奏でています。

 さて、今回初めて訪れた台中。情報があまりなく、朝の散歩がてら探していたところ、地元の人が並んでいる店を発見。半分屋台のような店構えで、鹹豆漿だけでなく、焼き小籠包の水煎包(スェイチエンパオ)までもメニューに! 絶対においしそうな予感しかせず、入ったところ、大正解。ここの鹹豆漿の豆乳スープは、おぼろ豆腐のようなものではなく、さらっとしているタイプ。油分で少ししっとりしつつも、なぜかカラッとした食感がある油條との相性も抜群。具も控えめでネギが少々。そのシンプルな味わいに、心をグッと掴まれました。少し厚めの皮が特徴の水煎包も肉汁たっぷり。思いがけず、最高の朝食にありつけて、大満足。偶然の出合い、これこそ、旅の醍醐味。取材ではなかったので、店名は内緒にしておきますが、写真をヒントに台中の散策がてら立ち寄ってみては。ちなみに本誌では、牡蠣のお粥や、キャベツやチャーシュー、ピーナッツ粉を包んだ潤餠(ルンビン)などといった朝ごはんにぴったりのおいしい店情報を掲載しているので、ぜひチェックを。

(本誌編集部・HK)

Trip to Taiwan / 台湾でしたいこと。&Premium No. 136

ほんのりと熱気を帯びた台湾の街に降り立つと、風情ある街並みの向こうに見える都会的な高層ビル、家々が連なる静かな路地、走り抜けるオートバイの大群、賑やかな市場や屋台……。さまざまなルーツを持つ人々が培ってきた伝統と、昔ながらの日常の風景や自然、そして次々と生まれる新しいカルチャーを共存させている懐の深さが、台湾の街の魅力です。今号の特集では、気取らない〝ふだんの台湾〞を感じる旅を案内します。台北と台南では、ローカルのみなさんに教えてもらった、早朝の街の楽しみ方やとっておきの食堂、個性的な書店やカフェ、茶芸館や日用品店など、14のテーマで巡る旅を。また、台中の街歩きや、温泉や離島を訪ねる2泊3日の旅プランなども加え、紹介するのは164のスポット。〝いま〞の台湾を感じる旅に、出かけませんか。

andpremium.jp/book/premium-no-136