3.ドッグランをつくる方法と費用相場
ここからは、ドッグランをつくるための材料の種類やその費用について解説します。
3-1.庭材(人工芝・天然芝・ウッドチップなど)
地面の仕上材選びは、快適にドッグランを使うための重要なポイントです。
以下の庭材に分けて、それぞれのメリットデメリットや注意点、費用の相場を解説します。
人工芝
天然芝
ウッドチップ・バークチップ
真砂土
ウッドデッキ・タイルデッキ
3-1-1.人工芝

出典:https://freshhouse.co.jp/case/20713/
人工芝は、ドッグランにおすすめの材料です。
水やりや芝刈りなどの日常的なメンテナンスは不要。年間を通して青々とした緑の庭を保つことができます。
雨あがりも愛犬が泥で汚れる心配がなく、クッション性があるものを採用すれば足腰への負担を軽減する効果もあります。
初期費用は他の仕上材に比べて高額ですが、メンテナンス費用がほとんど発生しないため、長期的に見ると経済的になる場合も。
注意したいのは、夏場に表面温度が高くなることです。遮熱機能のある商品もあり、検討するのもよいでしょう。
また、クッション性は芝葉の長さで異なるため、愛犬に合わせて適切なタイプを選ぶことが大切です。
0.5~1.2万円/m² |
3-1-2.天然芝

自然の植物で作る天然芝は、夏場に地面の温度上昇を抑えてくれるのが特徴。四季による芝の表情の変化も楽しめます。
また、芝はふわふわとした感触でクッション性があり、愛犬の足腰に優しい点もメリットです。
初期費用は安く抑えられますが、一方でメンテナンスには手間と費用が必要です。定期的な芝刈り、水やり、除草は欠かせません。芝刈り機や散水機、肥料代などの維持費用もかかります。
注意点としては、愛犬が穴掘りをすると枯れたり、芝がはげて愛犬の足が泥だらけになるなどの心配があります。掃き出し窓や玄関の出入り口付近に立水栓を設け、愛犬の足を洗ってから家に上がれるようにすると良いでしょう。
0.2~0.9万円/㎡ |
3-1-3.ウッドチップ・バークチップ

ウッドチップは、木材を丸ごと粉砕して細かく加工したものです。
使用する木材によっては、防カビ効果、防虫効果が期待できます。温かみとおしゃれな雰囲気が好まれる素材です。
一方、バークチップは木材の樹皮のみを砕いてつくられた素材です。
硬く耐久性があり、高級感があります。割れやトゲが発生しにくいため、ウッドチップと比べると愛犬が傷つくリスクは低いといえます。
費用はウッドチップのほうが安価ですが、風に飛ばされやすく、数年で土に還るため頻繁な補充が必要。バークチップも補充が必要ですが、ウッドチップに比べると耐久性に優れており補充の頻度を抑えることができます。
0.2~0.9万円/㎡ |
1~1.5万円/㎡ |
3-1-4.真砂土(まさつち)

柔らかな温かみのある色合いで、庭の敷土に用いられることが多い真砂土(まさつち)。学校のグラウンドでもよく使用されます。
植物の栄養分が含まれておらず、雑草が生えづらい特徴があります。気温が上昇しても表面温度が高くなりにくい、という効果もあります。
初期費用が安く、定期的なメンテナンスも不要です。
ただし、粘土質ゆえに時間経過とともに水はけが悪くなり、雨のあとに水たまりができやすくなります。そのような場合、愛犬が遊ぶたびに汚れてしまうこともあるので注意が必要です。
0.8~1.2万円/㎡ |
3-1-5.ウッドデッキ・タイルデッキ

ウッドデッキをつくることで、愛犬が部屋から庭へ出るためのステップ(=階段)にすることができます。
一般的に室内と庭の高低差は約50cm。大型犬には1段、小型犬には2段のステップがあれば、庭への出入りがスムーズです。
また、庭を作る面積がない場合、広めのデッキをフェンスで囲めば、デッキ自体をドッグランにすることもできます。
ウッドデッキの他にタイルで仕上げるデッキもあります。タイルデッキは掃除がしやすく経年劣化が少ないのが特徴です。
2~4万円/㎡ |
1.5~2万円/㎡ |
タイルデッキの費用相場|手間いらずで長持ち&高級感のあるデッキに
3-2.フェンス・柵

出典:https://freshhouse.co.jp/case/20713/
ドッグランをつくる際、愛犬を守るためしっかりとしたフェンスをつくることが大切。ご近所や通行人の安全の確保にもつながります。
フェンスの高さは、愛犬の大きさに合わせて設置します。運動能力の高い犬などはこれ以上の高さが必要なこともあるため注意が必要。
必要な高さのおおよその目安は以下のとおりです。
小型犬 | 80~120㎝ |
中型犬 | 120~150㎝ |
大型犬 | 180㎝以上 |
フェンスと地面のすき間は愛犬がすり抜けないよう、中型犬以上は70mm以下、小型犬の場合50mm以下に抑えましょう。
また、フェンスの素材にはアルミ製、スチール製、樹脂(人工木)、鋳物などがあります。
アルミ製フェンス | 1〜6万円 / m |
スチール製フェンス | 0.5〜1万円 / m |
樹脂製フェンス | 1〜3万円 / m |
鋳物製フェンス | 2〜3万円 / m |
アルミ製は軽量で錆びにくくメンテナンスが簡単。スチール製は強度が高く、防犯性にも優れています。
樹脂(人工木)製は見た目が木材に似ていて温かみがあり、耐候性も良好です。鋳物製は装飾性が高く、エレガントな雰囲気を演出できます。
3-3.その他の設備
ベースとして必要な材料の他に、あると便利な設備についてもご紹介します。
3-3-1.立水栓

ドッグランに水栓があれば、遊んでいる最中に愛犬にすぐに新鮮な水を飲ませてあげられます。
またシャワーヘッドやガーデンパン(立水栓下の水受け)を備えると、遊んだ後の足を洗うだけでなく、愛犬の体を洗うときにも便利です。
水栓を設置する場所は、室内への動線を考えて掃き出し窓の近くや玄関のそばがおすすめです。
2~8万円 |
3-3-2.日除け

ドッグラン内に日陰になる場所があれば、愛犬がより過ごしやすくなります。
オーニング(サンシェード)であれば、屋根工事を行うよりも簡単に取り付け可能。さらに簡易的な方法として、ガーデンパラソルでスポット的に日陰を作ることもできます。
5〜20万円 |
0.5〜6万円 |
3-3-3.アジリティー用品

アジリティー用品とは、ジャンパーなどの障害物で犬が遊べる道具のこと。アジリティートレーニングは愛犬のよい運動になると同時に、愛犬と飼い主との絆を深めるのにも効果的です。
ジャンパーのほかにチューブトンネルやタイヤとよばれる輪くぐりなど、アジリティー用品の種類は多数。愛犬にあったアイテムを取り入れてみましょう。
0.4万円〜 |
1万円〜 |
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4.ドッグランをつくるときの注意点
快適でストレスのないドッグランにするため、注意点も抑えておきましょう。
4-1.日陰の休憩スペースを設ける
ドッグランには休憩する場所も必要です。愛犬の体温調節のために、日陰で風通しが良い場所に休憩スペースを作りましょう。
近くに水栓があれば水分補給もできて、より便利です。
屋外用の椅子を置けば、愛犬と飼い主が一緒にリラックスできる空間にもなります。
4-2.愛犬にとって危険なものをきちんと管理する
ドッグラン内に、愛犬にとって危険なものはないか気をつけましょう。
庭に植えた植物の中に有害なものがないか、除草剤や殺虫剤など危険なものを置いていないかなどの確認が必要です。
除草剤や殺虫剤は、放置しないのはもちろん、それらを使用した土壌に愛犬が触れないかにも要注意。工具や肥料などのガーデニング用品は愛犬の届かない場所に保管し、安全性を保つよう心がけましょう。
4-3.近隣への騒音に注意する
犬の鳴き声は思ったより遠くへ届きます。知らない人によく吠える場合、目隠しのフェンスが有効です。鳴き声を吸収しやすい素材のフェンスを採用することもできます。
スペースに余裕があれば、隣家から距離をおいた場所にドッグランを設置できないか検討してみましょう。
4-4.トイレスペースを確保する
ドッグランの一画にトイレスペースを設けると、ほかの場所を汚さず快適な環境を保てます。
トイレスペースの設置には石やレンガで囲む、砂利を敷く、またトイレパンを置くなどの方法があります。
消臭砂利を使用すると、臭い対策に効果的。また、清潔な状態を保つため、定期的な掃除を心がけましょう。