ブランド誕生から7年、会社化し4年。「レーズン嫌い」から始まったブランドの“現在(いま)”

そもそも「ノーレーズン」とは何か? そのチャーミングなネーミングの通り、レーズンが入っていないこと。子どものころからレーズンが嫌いだったという平野さん。だからこそ、お土産や特別な時のとっておきのお菓子でもあったレーズンサンドに憧れ、そこからレーズン嫌いの人でも楽しめるお菓子を作ろうと誕生したのが「(NO) RAISIN SANDWICH(ノーレーズンサンドイッチ)」。

季節の果実をはさんだ「ノーレーズンサンド」と、レーズンが入った「イエスレーズンサンド」の2つが入っている。

平野さんの「こんなことしたい」の空想から始まり、少しずつ形になっていき、最初は手売りで販売をするなど、地道な活動を続けてきた。その後はオンラインストアや百貨店での販売、近年はピエール・エルメ氏とのコラボレーションでも話題に。平野さんが描く夢の1ページは、物語として大きな広がりを見せた。

なぜ東京駅を選んだのか? その理由を伺うと・・・。

平野さん「子供の頃から大きな駅で買うお菓子は、近所のお菓子屋さんとは違う特別な存在でした。帰省の時に出会えて、久しぶりに会う大好きな親戚たちと分け合って食べる。そこにはお菓子の先にいつも笑顔や大切な時間があって、いつしか思い出の味になっていたんですよね。

誰かの思い出の味になれるって、菓子屋としてはこれ以上ない誉れだと思います。東京駅という、たくさんの方々の往来を引き受ける場所に出店することは、誰かの人生の記憶に寄り添えるきっかけを頂いたってことなんだと思っています。そんな存在にいつかなれるように、願いを込めて、ショッパーにも“SWEET”と“MEMORY”と書きました。」

“平野さんにとって、次なる一ページとは何ですか?”

平野さん「レーズンサンドがiPhoneの絵文字になることです(笑)。実はレーズンサンドって日本生まれの洋菓子。まだ海外の方々に知られていない存在です。もっともっと世界的にポピュラーでアイコニックな存在になっていったらいいな、この東京駅を通じて広まって欲しいなという想いも込めて。」

平野紗季子さんとは久しぶりの対面だった。筆者にとって平野さんは、物書きという共通点、ともにお菓子のブランドを持っているという共通点がある。そんな中で彼女の描く世界の深さ、そして彼女を支える多くの人たちの姿がはっきりと見える。

クリエイターであり、職人でもある。そう感じた。新しい文化を作っていく人の熱いハートをぜひ応援したいし、私自身も見習って、彼女のようになりたいと強く思い刺激される取材デーでした。

第一号店となる東京店、3月10日いよいよオープンです。

About Shop
「ノーレーズンサンドイッチ グランスタ東京店」
オープン日:2025年3月10日(月)
場所:東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東日本 東京駅構内「グランスタ東京」1F 吹き抜けエリア
※駅改札内になります。
営業時間:8:00~22:00(月~土)、 8:00~21:00(日・祝日)
※翌日が休日の場合は、22:00まで営業。
※繁忙期、3連休等は営業時間に一部変更がある場合あり。
※営業日はグランスタ東京に準ずる。

Writing/坂井勇太朗(ufu.編集長)