3. 療養型病院(療養病床)と介護医療院の違い
かつて患者が入院する療養病床には、医療療養病床と介護療養病床(介護療養型医療施設)の2種類がありました。このうち、介護療養病床は医療の必要性の低い高齢者が長期的に入所するケースが多く、社会保障費を圧迫することが課題となっていました。そのため、2018年に介護療養病床の後継として介護医療院がスタートし、介護療養病床は2024年3月をもって廃止されました。
医療保険が適用される療養病床と、介護保険で運営される介護医療院とでは、入所する人の「医療区分」が異なります。医療区分とは、患者の医療の必要性を3段階で示す基準です。
療養病床には原則的に、医療区分3(人工呼吸器を使用している状態など)と医療区分2(筋ジストロフィー、パーキンソン病関連疾患など)の患者が入院し、看取りやターミナルケアにも対応しています。一方、介護医療院は要介護認定を受けていることが条件で、医療区分1(医療区分3・医療区分2に該当しないケース)の人も入所できます。
療養病床 |
介護医療院 |
|
---|---|---|
対象者 |
医療区分2〜3 |
医療区分1〜3 |
適用される保険 |
医療保険 |
介護保険 |
提供サービス |
医療 |
医療・介護 |
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4. 療養型病院を利用する
療養型病院利用の流れ

STEP1:入院を希望する療養型病院を見学する
療養型病院への入院は長期間になる可能性もあります。そのため、希望する病院に行ったことがない場合は、どのような病院なのか見学してみると安心です。
STEP2:紹介状・看護サマリー・必要書類を提出する
主治医が作成した診療情報提供書や、看護師が患者の病歴や看護内容をまとめた看護サマリーを提出します。病院によっては検査データが必要になるケースもあります。
STEP3:受け入れ可能か判定を受ける
提出された資料を基に、療養型病院の医師が受け入れ可能かどうか判断します。
STEP4:空床が出るまで待つ
受け入れ可能な場合でもすぐに入院できるとは限りません。満床の場合は空きが出るまで待機します。空床が確保できたら、入院日を決定し入院します。
療養型病院の費用
療養型病院に入院する場合の費用は、病気の種類や入院期間によって大きく異なります。医療費や食事代については、医療保険によって定められた額が必要で、医療費の自己負担は一般的に1〜3割です。
また、個室など快適な入院環境を希望する場合は、追加で負担がかかります。さらに病院によっては、衣類やタオルのレンタル費用がかかる場合もあります。