お笑いコンビ・ラランドのサーヤさんがボーカルを務めるバンド「礼賛」のライブ会場で痴漢に遭ったと訴えるX投稿が拡散されていた件をめぐり、コンサート運営会社のキョードー大阪は2025年3月22日、19日に公開していたトラブルに関する投稿を削除した。
一部内容を否定し反論 ユーザーはXアカウントを削除
礼賛のライブは、3月16日に大阪・なんばHatchで行われた。翌17日、このライブ会場で痴漢の被害に遭ったと訴える投稿がXで拡散された。投稿では、一連の経緯を説明する中、「礼賛」側ではない会場のスタッフから「警察を呼んでも意味が無い」などの発言を受けたとし、不適切な対応を非難していた。
その後、運営側の対応をめぐる批判が過熱する中、ライブを運営したキョードー大阪は19日、事実確認を行ったとした上で謝罪した。
「被害を申告された方によるXへの投稿内容に事実との相違があることを、投稿時より確認しておりました。しかし、礼賛のファンであることや個人の発信であることを考慮し、静観しておりました」と説明し、元投稿を引用し、補足を行うかたちで反論した。また、次のような説明もあった。
「本件については、当事者双方のご主張を伺うとともに、当日に居合わせた方々の目撃情報や、駆け付けた警察の対応を踏まえ、コンサート運営会社として誠実に対応いたしました。終演後、第三者の目撃者(お客様)に任意でご協力頂き、警察立ち合いのもとで痴漢行為と疑われる事象は認められないという証言が提示されました」
だが、被害を訴えていたユーザーは同日、トラブルが起こった当時の録音記録を確認したとした上で「相違があります」とXで異議を唱えた。バンド公式やメンバーのサーヤさん、川谷絵音さんらも声明を発表していたが、運営側への批判だけでなく、被害を訴えていたユーザーへの批判も相次ぎ、ユーザーは21日までにXアカウントを削除している。
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「被害を申告された方に寄り添うにはほど遠い印象を与える表現があった」
こうした中、キョードー大阪は22日、Xに改めて声明を発表した。
「3月16日(日)礼賛公演中の事実確認と対応についてご報告の投稿につきまして、引用元の消失ならびに不適切な引用方法であったため、当該投稿と弊社ホームページより削除しました」
今回の対応について、「被害を申告された方に寄り添うにはほど遠い印象を与える表現があった点に関して、被害を申告された方をはじめ、皆さまに深くお詫び申し上げますとともに、再発防止に努めてまいります」としている。
公式サイトに掲載した「3月16日(日)礼賛公演中の事実確認と対応についてご報告」とのお知らせページでも、被害を訴えていたユーザーの投稿を引用し、補足していた部分を削除した上で同様の追記を行っている。
SNSでは運営側の対応をきっかけに批判が過熱したのではとする指摘や、「引用元の消失」といった表現に疑問を持つ声が上がっている。