阿佐ヶ谷で立ち飲みと言えばここ! 『立呑風太くん』
●東京生まれ東京育ち。中央線の飲み屋をこよなく愛するライター・松田義人による中央線一人飲み案内。阿佐ヶ谷で愛される『立呑風太くん』で一人飲み!
2005年頃、「後ろ足のみの2足で立つ」ことで大きな注目を浴びたレッサーパンダの風太くんを覚えているでしょうか? そのブームの後、阿佐ヶ谷駅北口すぐの飲み屋街・スターロードエリアに『立呑風太くん』という、立ち飲み専門店がオープンしました。
その看板は中央線の東京行き方面電車(4番線)からよく見え、当時、筆者は「風太くんブームが終わったら、その店名どうするんだろう」と余計な心配をしたものでしたが、以来20年前後経過した今なお営業を続けており、その人気は衰えることがないようです。
実は筆者、『立呑風太くん』の名前はよく知っていながらも、この間、一度も飲みに行ったことがありませんでした。そこで今回一人飲みをしに、レッサーパンダになる気分で同店を訪ねてみることにしました。
『立呑風太くん』のある北口の商店街「スターロード」界隈は、昼間は実に閑散としており、少しずつ賑わいを見せ始めるのは日が落ち始めてから。
スターロード界隈の様子。明るい時間帯は閑散としています
そのため、特にランチタイム以降、夕方までの時間帯は店を閉めている店が多いのですが、そんな中で『立呑風太くん』は15時オープンと、明るい時間帯から飲みたい人にとってはかなりありがたい店です。
阿佐ヶ谷では稀有な「昼から飲める店」
日が落ち始めてから、少しずつ賑わいを見せ始めるスターロード界隈
この日、筆者が訪れたのは16時過ぎ。すでに複数の一人飲み・立ち飲み客が店内で酒を楽しんでおり、筆者も続いてイン。初めてでしたが、すぐに『立呑風太くん』の会計ルールなどを理解し、その通りにオーダーすることにしました。
『立呑風太くん』。明るい時間からやっているのがまずありがたい
古くからの立ち飲み店会計方式でホッピーと煮込みをオーダー
基本立ち飲みで一人客多めですが、複数客は入口付近のドラム缶を囲む
『立呑風太くん』の会計ルールはこうです。カウンターに置かれた枡の中にお金を入れておき、目当てのドリンク、おつまみを口頭でオーダー。店員さんはこれらをサーブした後、その代金を枡の中から勝手に取っていくというもの。
昔ながらの立ち飲み店を踏襲した会計スタイル
昔ながらの立ち飲み店に多い独特のスタイルですが、隣で飲んでいる外国人の男性客もこのスタイルに戸惑うことなく注文を重ねていました。
さて、筆者はここで豚もつ煮(450円)と、キンミヤベースの白ホッピー(400円)をオーダー。程なくしてサーブされました。
見た目よりもアッサリした豚もつ煮(450円)と、キンミヤベースの白ホッピー(400円)
まずはグラスにホッピーの外を注いで一人で乾杯。そして、薬味のネギたっぷりのオレンジ色に輝くいかにも美味しそうな豚もつ煮を一口食べて、つい「うまい!」と声が出てしまいました。
この豚もつ煮、見た目よりあっさり上品な味わいで、薬味効果でかなりサッパリいただけます。一人飲みのおつまみとして完成度激高の一品であり、『立呑風太くん』のポテンシャルの高さを強く感じました。
無数のメニューを用意し客のニーズに応える姿勢も◎
『立呑風太くん』は他にもメニューがたくさんあります。冬場であればおでんも美味しそう
この日、筆者は豚もつ煮のみをオーダーしましたが、他にもおつまみメニューが豊富。焼鳥や海鮮類はもちろん、創作系洋食メニューなどもあり、さほど大きいわけではない立ち飲み店でありながら、客のニーズにどこまでも応えようとしているところも好印象でした。
すっかり気分が出来上がった筆者、ホッピーの中(200円)を追加オーダー。注がれる“ナカ”の量は「お椀一杯分」とやや少なめながらも、この低価格、そしてホッピーの外を合理的に飲み続けることを考えれば不満はなく、都合5回ほど“ナカ”を注文して飲み干しました。
また、これは人によって賛否が分かれるところだと思いますが、『立呑風太くん』は喫煙可。ヘビースモーカーで酒飲みの筆者にとってはこれが非常にありがたく、一服しながら飲める貴重な店でもありました。
0次会や軽飲みに最適な小さな名店

阿佐ヶ谷ではかなり貴重な、15時から飲める店であり、一人での0次会や休日などでの軽飲みには最適の店だと思いました。
古き良き立ち飲みスタイルを貫きつつも、低価格であらゆるニーズに呼応する店『立呑風太くん』。阿佐ヶ谷界隈を訪れる酒飲みにはぜひともオススメしたい小さな名店です。
(取材・文◎松田義人(deco))
●SHOP INFO
立呑風太くん
住:東京都杉並区阿佐谷北2-12-5
TEL:03-3330-5500
営: 15:00〜翌0:00
休:無休