「家事」と「育児」は別
ここで注意しなければならないのは「家事」と「育児」が別だということです。世の中では、よく「家事育児」とまとめて議論されますが、子どもの親権についていうと「家事」より「育児」が重要です。
たとえば共働きで夫婦のどちらも忙しく料理をしないので、いつも冷凍食品を食べている家庭があるでしょう。ゴミ出しや掃除なども夫が行っているケースがあります。その場合、妻は「家事をしない」と評価されるかもしれません。しかし妻が主として「育児」を行ってきたのであれば、たとえ家事をあまりしていなくても親権が認められる可能性があります。
また妻が家事をしていない場合でも、夫も家事をしていないなら夫が有利になることはありません。夫が親権を獲得したいなら、家事よりも育児に関する事情を積極的に主張・立証していく必要があります。
(広告の後にも続きます)
妻が育児を放棄していれば夫が親権を獲得できる
妻が育児を放棄しているなら、夫が親権を獲得できる可能性が高くなってきます。たとえば、以下のような事情です。
・子どもが小さいころから、おむつを替えたりお風呂に入れたり食事の世話をしたりしてきたのは全部父親だった
・子どもの宿題を見てあげたり習い事のおけいこに付き合ったりしているのは父親
・休日、子どもは一日中父親と過ごしている
・平日も母親は働いていて家にいない
・幼稚園や学校との連絡も父親が行っている
・母親はゲームやネットにはまっていたり不倫したりしていて子どもに関心がない
・母親が子どもに暴力を振るっている
・子どもがお腹を空かしていても、母親は子どもに食べ物を与えていない