刑務所にも潜む「ギャンブル」

こうした環境悪化が懸念される米国の刑務所に入る水原被告。実は彼にとっていちばんの懸念事項は、やはり「ギャンブル」かもしれない。

かつて覚醒剤密売の容疑によって米刑務所に収監された経験を持つ日本人・KEI氏は、著書『アメリカ極悪刑務所を生き抜いた日本人 改訂版』(東京キララ社)で、刑務所内には破滅への落とし穴が潜んでいることに触れ、その最たるものが「ギャンブル」だとして、所内のギャンブルで負けが込んだ収容者が破滅していくさまが赤裸々に記されている。

そもそも水原被告は「ギャンブル依存症」を理由に情状酌量を求めていたが、裁判所は依存症を認めずに、今回の判決が下っているだけに、心配な情報である。

ただ、水原被告の収監先と目されるターミナル・アイランド連邦矯正施設は、社会復帰のための教育プログラムが充実しているという。KEI氏の収容された刑務所に比べて、犯罪の種類・受刑者の危険度で分けられるセキュリティーレベルも、ずっと低い。

模範囚となれば、4年9か月の刑期も短くなるとされるが、果たして──。