プロ野球ヤクルト、巨人などでプレーしたDeNAの元監督アレックス・ラミレス氏(50)が、2025年3月23日にユーチューブを更新し、巨人の新外国人選手トレイ・キャベッジ外野手(27)を独自の視点で分析した。

「彼のアメリカでの数字をみると、少し不安な材料がある」

キャベッジは、大リーグのロサンゼルス・エンゼルスなどでプレーし、24年オフに巨人に入団した。

大リーグ通算67試合の出場ながらも、マイナーリーグではトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁以上)を達成。阿部慎之助監督(46)は、打線の主軸として期待を寄せている。

巨人は今シーズン、主砲・岡本和真内野手(28)の後ろを打つ5番打者がひとつの課題となっている。昨シーズンは、坂本勇人内野手(36)や、大城卓三捕手(32)らが5番を担ったが、今シーズンはキャベッジが有力候補に挙がっている。

このような状況を踏まえ、ラミレス氏は「(キャベッジは)岡本和真のあとを打つ5番打者としてどうかな?」と問いかけ、「5番打者になれるか? それはきっとなれるだろう。ただ、彼のアメリカでの数字をみると、少し不安な材料がある」と指摘した。

ラミレス氏は、キャベッジの米国時代の成績を振り返り、独自の視点で分析した。

「彼は主に9年間、マイナーリーグでプレーをしたが、9年間で280四球。1年間で平均30四球くらい。三振をみると、840個ぐらいしている。1年平均だと、90三振くらいしている。四球が少なく、三振が多いということは、フリースインガー(選球眼やミート技術が乏しい打者)ということ。21年は、27本塁打を記録したが、三振は160個だった。打席は380打席くらいで、三振がだいぶ多い」

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「オールスターまでに90個の三振をしているだろう」

キャベッジは、オープン戦で持ち前の打力をアピールできなかった。14試合に出場して打率.214、3打点、本塁打はゼロだった。

ラミレス氏は自身の経験から「レギュラーシーズンが始まれば、ピッチャーの攻め方は全く変わってくる」とし、こう続けた。

「僕的には、(キャベッジは)7番くらいが適任だと思う。そこから状態が上がってくるにつれて、5番まで上げられたらいい。シーズン開始から5番を打たせるのは、どうかなと思う。もちろん、阿部監督は彼にチャンスを与えるだろうが、7番くらいに落ち着くのではないかな」

さらに、「もし彼がレギュラーに定着して5番を打つことになれば、オールスターまでに90個の三振をしているだろう」と予測し、次のように持論を展開した。

「レギュラーとしてプレーすれば、間違いなくホームランを10本から15本打つだろう。ただ、15本がマックスだろう。打率は2割6分くらいで、ホームランは15本。打点は75点くらい。これが僕の予想だ」

そして、考えられる「最悪」のケースにも言及した。

「キャベッジがジャイアンツの連覇のカギを握っているか? それはクエスチョンマークだ。もしかしたらシーズン中に、新しい外国人選手を獲得せざるを得ない状況も考えられる」

チームは、開幕を直前に控えてベテランの丸佳浩外野手(35)が、22日のオープン戦で右足を負傷し戦線を離脱。厳しい状況の中、キャベッジは打線の主軸として機能するのか。阿部監督の起用に注目が集まる。