
2025-26年秋冬パリ・ファッションウィーク(パリコレ)が3月3日から11日まで開催されました。期間中、公式スケジュールで100余のブランドが最新作をショー形式やプレゼンテーションなどで発表しました。この期間はファッション関連のイベントも行われていました。ファッションだけでなく、街で見かけた面白いモノやコトをつづっていきます。今回はDAY 3。
デルヴォー
ベルギーのデルヴォーのプレゼンテーションは毎回、感動の種がたくさんあります。今回は1958年にベルギーの首都、ブリュッセルで開催された万国博覧会、そしてこの年に誕生した「ブリヨン」の物語です。ブリュッセル万博は、第2次世界大戦後初であり、未来に向け、エネルギーに満ちたものでした。デルヴォーを代表する「ブリヨン」は、ル・コルビュジエらが設計したフィリップス館がインスピレーションのもととなっているそうです。

そして、ブリュッセル万博のメイン壁画として、アメリカ館に飾られたのが、ルーマニア生まれでアメリカで活動したイラストレーター、ソール・スタインバーグの作品です。幅80メートル、高さ約3メートルの作品は、ベルギー王立美術館に収蔵されていますが、今回、この展示会のために、初めて美術館の外で公開されました。
フィリップス館の模型と「ブリヨン」
「ブリヨン」のデザインが、このフィリップス館をインスピレーション源にしていたとはびっくり。またスタインバーグの作品をまさかデルヴォーの展示会で見られるとは。
パリのデルヴォーの展示会はいつも展覧会のようにアーティスティックであり、挑戦する姿勢が伝わってきます。
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ザ・ロウ

いつも招待状がすてきなザ・ロウ。デジタル全盛の世の中で、手書きや紙を大切にしているブランドです。そして、前回同様、写真、動画はすべてNG。メモをとるしかありません。
今回は席順が決まっていませんでした。じゅうたんが敷かれた部屋には様々な形のいすが置かれており、好きなところにお座りくださいということです。もちろん床に座ってもOK。この形式、かつてアメリカでもやったことのある手法なのだとか。なんとなくリラックスした雰囲気でショーは始まりました。



Courtesy of The Row
モデルたちもリラックスムードを表現したのか、靴は履かず、タイツ(?)などのまま登場。ジャケットに白いシャツ、大きな襟を立てたコートなど、静かでかすかに禁欲的な雰囲気も。最高級素材の持ち味を最大限に生かした服を見ていると、思わず手を伸ばし、触れたくなります。ザ・ロウはいつも着た人にしかわかりえないぜいたくさを提供しています。