社内で人気の受付嬢・葉山メグミは、同僚の後藤ダイキに好意を抱いていました。しかし、ある日彼が小さな女の子と「親しげ」にしている姿を見て、既婚者だと勘違いしてしまいます。そんな中、後藤から突然告白されて……。

突然の告白、そして拒絶



それは、後藤さんと一緒に行ったラーメン屋での食事の帰り道でした。

「葉山さん、好きです。付き合ってください!」

突然、同僚の後藤さんから告白され、私は驚きました。

「えっ!? 絶対に嫌です!」

気付けば、後藤さんは驚いた表情のまま固まっていました。私はどうしてこんなことを言ってしまったんだろう。その理由は、彼が小さな女の子と「親しげ」に歩いていた姿を見たからでした。



「おとうたん、だっこ〜」
「えぇ……もうすぐ保育園だよ?」

その子が後藤さんを「おとうたん」と呼んでいたのです。……やっぱり、後藤さんは既婚者だったのだと思いました。どれだけ彼に惹かれていたとしても、家庭を持っている人には応えられない。そう思った私は、とっさに「絶対に嫌」と返してしまったのです。

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彼は既婚者ではない…!?



それから、後藤さんに対して自然に接することができなくなりました。彼も私の態度の変化に気付いたのか、以前より少し距離を感じるようになっていました。

そんなとき、同僚の女性から意外な話を聞いたのです。

「後藤さん、実は独身らしいよ」
「えっ!? でも、子ども……」

同僚が後藤さんの同期の人から聞いた話では、私が子どもだと思った子は、高校のころにお世話になった先輩の娘さんとのこと。奥さんが病気で入院しているから、その子の面倒を見てるだけのようでした。

……ということは、後藤さんは結婚していない? 完全に勘違いしていたのだと気付いた瞬間、胸が苦しくなりました。「もっと早く確認すればよかった……」と。私はすぐに後藤さんに会いに行くことを決めました。