株投資は株を買ってからが本番です。金融所得を向上させるためには、常に最良のポートフォリオを目指し、改善し続ける必要があります。保有中の株の魅力が薄れたり、他によりよい株を見つけたりしたら、乗り換えも考えましょう。本記事では中原良太氏の著書『株価予想の達人が教える株投資 初心者でもチャートで逃さない買い時・売り時 』(インプレス)から一部抜粋・編集し、ポートフォリオの具体的な改善方法について解説します。

運用の目標を設定すれば迷わない

確実な収入源になる「投資家としての基本給」を増やす

「①スゴイ株を、②いいタイミングで買い、③日々ポートフォリオを改善する」この3ステップを守っていれば、資産は右肩上がりに増え続けるはずです。

ポートフォリオを管理するためにも、まずは運用目標を立ててみましょう。目標を明確にすることで、いざという時も迷わず投資を続けられます。筆者は「投資家としての基本給を増やすこと」を目標に資産を運用しています。

基本給とは、定期的に得られる収入源である配当金のことです。配当収入の他にも、成長投資の原資となる内部留保にも注目します。内部留保は、会社員が老後のために蓄える厚生年金みたいなものだと捉えています。配当収入=基本給、内部留保=厚生年金、となれば、値上がり益はボーナスに似ている気がします。

ボーナスは継続性に欠け、翌年も同じように得られる保証はありません。だからまずは「基本給である配当金と内部留保を着実に増やす」ことを目指し「あわよくばボーナスも狙う」という姿勢が健全な目標だと考えています。

「ボーナスがもらえたらラッキー」


[図表1]投資家にとっての基本給は配当金 出所:『株価予想の達人が教える株投資 初心者でもチャートで逃さない買い時・売り時』


[図表2]あわよくばボーナスも狙う 出所:『株価予想の達人が教える株投資 初心者でもチャートで逃さない買い時・売り時』

基本給(配当金)や厚生年金(内部留保)といった「金融所得」を着実に増やす方法を考えましょう。運がよければ、ボーナス(値上がり益)も手に入るかもしれません。

[図表3]ポートフォリオとは保有資産の配分のこと 出所:『株価予想の達人が教える株投資 初心者でもチャートで逃さない買い時・売り時』

投資におけるポートフォリオとは、投資家が保有する資産の組み合わせのこと。どの金融商品にどれくらい投資をするのか、配分を考えることを「ポートフォリオを組む」といいます。投資の利益の8~9割は、資産配分で決まるといわれているため、とても重要です。上手にリスクを分散して「何があっても大丈夫」と思えるポートフォリオを目指しましょう。

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金融所得を増やす2つの方法

管理の目的は「金融所得を増やす」こと

前述のとおり筆者がまず優先しているのは配当金内部留保です。これらの金融所得を増やす方法は2つあります。

1つめは「投資先の業績が伸びるのを待つ」方法です。長期投資家はスゴイ株を目利きして、10年や20年という長いスパンで大きく伸びる会社を探し、長く持つことで金融所得を増やしていきます。

2つめは「もっと条件のいい投資先に乗り換える」方法です。株式市場が動くと、新しく割安な銘柄が見つかったり、自分の持ち株が割高になったりします。こういった動きを活かして持ち株を調整することで、金融所得を増やしていきます。

長期投資は銘柄重視、短期投資はタイミング重視のスタイルです。やっているうちに得意・不得意が分かってきますから、自分の得意なスタイルを極めていきましょう。

保有銘柄と売買予定の銘柄をリスト化し、日々株価などを確認しておきます。監視するなかで、いい銘柄の条件に合致しなくなった銘柄があれば売却を、条件も購入タイミングもいい銘柄があれば購入を検討します。銘柄の乗り換えタイミングは、割安性、イベント、チャートなどから総合的に判断します。

「金融所得を増やせないか考えよう」


[図表4]最優先のゴールは金融所得の向上 出所:『株価予想の達人が教える株投資 初心者でもチャートで逃さない買い時・売り時』

株投資は「買ったら終わり」ではなく、むしろ「買ってからが本番」です。投資先がスゴイ株でなくなったり、投資先以外にスゴイ株が現れたりすることもあります。金融所得を右肩上がりに増やすために、ベストを尽くしましょう。



[図表5]乗り換えは値動きも見ながら総合的に 出所:『株価予想の達人が教える株投資 初心者でもチャートで逃さない買い時・売り時』

性格や好みによって自分の得意なスタイルは変わってきますから、自分にあった投資スタイルを見つけて、極めていきましょう。