「斎藤知事は辞めるべきだとは思わない」――2025年3月27日放送のフジテレビ系情報番組「めざまし8」で、コメンテーターの古市憲寿氏(社会学者)はこう言い切った。

「選挙で選ばれてしまった」「民意を否定してまで」

兵庫県の斎藤元彦知事は26日、県の第三者委員会の報告について会見し、10件のパワハラについては「お詫びと謝罪を申し上げたい」としたが、違法とされた内部通報者探しと懲戒処分については「専門家でも意見が分かれている」として、対応は適切だったとした。

メインキャスターの谷原章介さんは「言葉上は(パワハラを)認めて謝ってはいるけれども、真に謝っている感じは伝わってこないような会見でもあったと思いますね」と厳しい評価だった。

たしかに、「パワハラを認めるのか、認めないのか」といった都合の悪い質問にはまともに答えず、「真摯に受け止めなければならない」と繰り返してはぐらかし、自分に対する処分も辞任も拒否した。

斎藤知事は自ら責任を取るべきという世論は強いが、古市氏は「いちばん大きいのは、斎藤知事が選挙で選ばれてしまったということですよね」と指摘し、「受かってしまった以上、こういうふうに報告書が出たからといって、民意を否定してまで、じゃあ知事を辞めるべきだとは僕は思わないんです。それくらい選挙は重いんですよ」と、斎藤知事の辞任拒否を支持した。

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「めざまし8」最終日の置き土産?

これに対して、ゲスト解説の法政大学大学院の白鳥浩教授は「違法だといわれていたことは、選挙で勝ったことでチャラになるわけではない」と反論した。

古市氏は「違法というのは、警察が動いている(からでは)ないわけで、あくまでも違法の可能性があるという状態なわけですよね。警察が動いたら状況は変わると思うんですけど」と、警察が動いていないから違法ではないといわんばかりの主張に、白鳥教授は「警察の案件じゃないんじゃないですか」と苦笑するばかりだった。

「めざまし8」は28日放送で終了し、31日からは「サン!シャイン」と番組名が変わって再スタートする。古市氏の出演もこの日が最後で、いささか無理筋の斎藤知事擁護論も、置き土産のつもりだったのだろうか。

(シニアデエディター 関口一喜)