
今回の「FPに聞きたいお金のこと」は、50代男性から老後のプランに関するご相談です。ライフプランやキャッシュフロー表など、老後のプランを作成する時に何歳まで生きる前提で作るのが良いのか?シンプルでありながら非常に奥深い、難しい質問です。これまでライフプランの作成やFP相談に応じてきた経験から、老後資産の管理法や考え方について回答します。参考にしてください。
50代男性Rさんの相談内容
今まである程度の貯蓄はしてきたのですが、相続により親からの財産を引き継ぎました。資産面でさらに余裕ができ、人生計画においても解像度がより上がったのですが、自身が死ぬまでの資産計画を立てていて疑問が芽生えました。
みなさん何歳まで生きる前提で計画を立てているのでしょうか? 私の場合は独身なので、78歳で亡くなってだいぶ余るのも嫌ですし、仮に85歳までで計画を立てていて95歳まで生きた場合など、かなり高齢になってから「お金がない」という状況はもっと嫌だと感じています。資産計画・管理の観点から良きアドバイスがあれば教えてください。
(広告の後にも続きます)
老後の資産管理は「取り崩し」が前提
貯金を切り崩す
【画像出典元】「stock.adobe.com/Andrii Symonenko」
老後に関しては「どうやって老後資金を貯めるか?」という相談が非常に多いです。Rさんのように潤沢に資産があり、独身であるため後に残すこともなく上手に使い切りたいというのは、意外と老後の資金を貯めるよりも難しいのでは?と感じています。
その理由が2つです。
・いつまで生きるか分からない
・将来が不安で思い切って取り崩せない
どちらもRさんの相談内容に重なるところですが、一つはゴールが見えないことで「いくら取り崩して良いか分からない」という点です。もう一つは「毎月〇万円、取り崩しても大丈夫」と分かっていてもなかなか取り崩すことができず、結局亡くなった時が今までで一番資産額が多かったというケースも少なくありません。これは、資産管理に保守的と指摘されている日本人ならではかもしれません。
実際、相続人が不在で国庫に入る財産は10年で3倍に増え、初めて1000億円を超えたとの報道もあります。もちろんRさんはそれを望んでいませんので、上手に資産を取り崩しながらセカンドライフを満喫してもらいたいです。