
50代から70代の片付けでは、ためこみ期だと意識する
「50代から70代は“ためこみ期”。私はそう名づけています。それをまず自分で意識してみましょう」とやましたさん。
“ためこみ期”とは、散らかっているわけではない、片づいていないわけでもない。しかし、自分のいる空間に対し、必要以上に物がたまっている状態に慣れてしまっている時期のこと。それはもう“収納”で解決するのは難しく、物を部屋から出す(=捨てる)ことが大切だと言います。
「今は常に情報があふれ、24時間いつでも物を買うことができます。一方で、捨てるのはもったいない、面倒くさい。だから物がどんどんたまっていってしまうんですね。そこで少しずつでも物を“出す”習慣を身に付けましょう」
まずは手軽に始められる平面から。冷蔵庫の扉やテーブルの上など、物を置かず必要なときにその都度出すよう心掛けます。
「それだけで空間にゆとりが生まれ、スッキリしますよ」
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突っ込んで収納するのが、片付けではない

平面の次に手をつけるべきは、隠れている引き出しや棚。
「引き出しや棚の中も物の居場所は快適に。ぎゅうぎゅうのところにいたら出し入れしづらくて、“巡り”が悪くなります」
キッチンまわりは特に消耗品の買い置きがスペースを占拠していることも。「レジ袋は小ケースに納まる分だけ。保存袋などの買い置きもしません」とやましたさん。それぞれ置き場所が決まっているので、出し入れしやすく、巡りもよくなって、スッキリ見えると言います。
重いし、思い入れもあって、実は一番捨てづらい器は「食パンの考え方と一緒。2人暮らしに5枚セットのお皿は必要ないんです」とやましたさん。
お気に入りの器が並ぶ食器棚を開けるたびに、今日はどれにしようかと選ぶウキウキ感が大切。自分だけのギャラリーにするつもりで片付けましょう。
「本当は本棚は見せたくなかったんです」とやましたさん。確かに他の棚に比べるとぎっしり詰まっているよう。「私が一番捨てられないのが本。だから心に余裕があるときにじっくり減らすようにしています」
減らしにくいものはいったんそのままで。無理をしないのが習慣づけるコツです。