
国内女子ゴルフの初戦「ダイキンオーキッドレディス」は3月9日、岩井千怜選手が通算10アンダーで優勝。大会2連覇を達成した岩井に対し、SNS等ではファンから称賛の声が相次いだ。
しかし、今大会を巡っては、プレーや結果だけでなく、開幕前に公開されたとある記事にも注目が集まった。
開幕前日の3月5日、週刊文春は「有名女子ゴルファー3人とトリプルボギー不倫した男《妻は心を病み、ゴルフ協会に通報して…》」と題した記事を公開。
同記事では男性プロキャディが3人の女子ゴルフ選手と不倫関係にあったと報じており、文春の記事を受け、複数の媒体が「トリプルボギー不倫」を取り上げた。
「妻と3選手との間で慰謝料の交渉」文春が報じる
前出の報道によると、男性キャディは2023年1月、女子ゴルフ選手と結婚したことを発表。しかし、次第に3人もの選手との不倫行為に手を出し始めたのだという。
詳細は明らかになっていないものの、その後、不倫行為が発覚。現在、キャディと妻は別居状態で、妻と3選手との間では慰謝料の交渉が始まっているとのことだ。
一連の報道について、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)はHP上で以下のようにコメントしている。
「選手個人の私生活上の行為については必要がない限り関与しませんが、必要に応じて、事実関係の調査、及び同調査に基づく適切な対応を講ずることを検討いたします」
3選手「キャディにだまされた」と主張
週刊文春の記事によれば、3選手は「キャディにだまされた」と主張する一方、キャディの妻は取材に対し「私が結婚していたことを相手(3選手)は知っていたはず」とお互いの主張は食い違っている。
では、妻が3選手に慰謝料を請求する場合、キャディが既婚者だと知って不倫したかどうかで、慰謝料の額に変化は生じるのだろうか。
離婚や男女問題に多く対応する安達里美弁護士は次のように説明する。
「一般的に、『不貞相手が既婚者だと知らなかった、既婚者と知らなかったことに過失がなかった』と認められる場合、不貞慰謝料の請求が棄却になる可能性があります。
また、知らなかったことに過失があったとしても、事情によっては、既婚者だと知っていたときより慰謝料額が低くなることも考えられます」
それでは、妻側が「3選手は既婚者だと知って不倫していた」と立証するためにはどのような“証拠”が必要になるのだろうか。
「ゴルフ業界の実情はわかりませんが、いわゆる職場内での不貞に近いのであれば、普通は既婚者だということは耳に入るのではないかと思います。
『当事者が結婚披露宴などを行いそこに職場(業界)内で参加した人も多い』『結婚指輪をしている』『懇親会などの席で結婚していることを前提とするような話をしている』という状況にあれば、自然と既婚者であることを知っていたと言えるでしょう。
もし、そういう状況にあったのであれば、逆に慰謝料請求を受ける側(3選手側)が『〇〇という理由から、既婚者と思わなかった』ことを積極的に主張・立証していかなければならないと思います」
3選手からキャディへの請求は可能?
先述したとおり、3選手側は「キャディにだまされた」と主張しているとのことだが、3選手側が今後キャディに対して慰謝料を請求することは考えられるのだろうか。
「キャディが既婚者だと知らなかったことに故意・過失がないと判断された場合、3選手がキャディに慰謝料請求するとすれば、『既婚者であると嘘をつかれて交際したことにより、精神的苦痛を被った』という主張が考えられます。ただ、現実的にはなかなかハードルが高いのではないかと思います」(安達弁護士)
一方、妻側は3選手だけでなく、キャディへも慰謝料請求を行うことができる。妻が請求した場合、キャディが支払うことになるであろう慰謝料について、安達弁護士の見解を聞いた。
「キャディが妻に支払う金額については、3選手との交際期間や態様、キャディの収入などの要素が不明なので何とも言えませんが、不貞相手が複数なので1人の場合よりは多くなると思います」
女子ゴルフ界に波乱を巻き起こした“火遊び”の結末やいかに。