2025年3月26日午後5時半頃、NTTドコモのキャッシュレス決済サービス「d払い」で障害が発生した。これによる不具合は全国規模で発生し、コード決済ができなくなるトラブルが相次いで報告された。
結果的にはおよそ3時間でこの障害は解消されたが、ここは発生時刻に目を向けるべきだろう。
1日の仕事が終わり、疲れた体を引きずりながらも、スーパーやデパ地下へ買い物に出かける時刻だった。そんな最中に、キャッシュレス決済サービスを使えなくなってしまったら、大勢の人の日常に多大な影響が出る。
突然起こり得る、キャッシュレス決済サービスのシステム障害。どんな備えが必要だろうか。
交通系ICカードのシステム障害にも備えたい
今回のd払いの不具合は、キャッシュレス決済サービスがこれほど普及した今、極めて大きなニュースバリューを持った。だが、コード決済のシステム障害はまだ「軽い話題」と言わざるを得ない。それよりも、遥かに深刻なのは、Suicaを始めとした交通系ICカードのシステム障害である。
なぜなら、交通系ICカードは市民が公共交通機関を利用するために欠かせないものだからだ。数十万という数の人々の「足」に影響し、電車や路線バスは事実上の麻痺状態に陥ってしまう。
もちろん起こらないのが一番だ。しかし、人間の作ったものは完璧ではない。電車やバスに乗っている時、あるいは買い物をしている際、突然ふだん使いの交通系ICカードや、キャッシュレス決済サービスが使えなくなってしまう可能性は常にある。
そのような事態に備えて筆者がすすめたいのは、バッグかパスケース、または上着の内ポケットに1000円札を忍ばせておくこと。これが極めて大きな意味を帯びるようになる。
大地震が発生した場合をのぞき、システム障害を数時間乗り切るのであれば、1000円札はちょうどいい額と言える。この1000円札は「どうにかしてまとまった現金を手に入れるまでの路銀」と表現すればいいか。
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ネット速度チェッカーアプリ『Speedtest』も便利
また、今現在発生しているシステム障害を確認できる『Speedtest』というアプリがある。アプリ内の『Downdetector』という機能を開くと、世界中の通信事業者が展開しているネットワークの状態を確認できるのだ。
もともとはDowndetectorという別のアプリがあり、ネット速度チェッカーアプリSpeedtestに統合されることで実装された機能だ。スマホの位置情報機能と連携して、現在地でサービス提供する通信事業者だけをモニタリングしてくれる。
現在地が日本であれば、auやNTTドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルといった国内事業者の現状だけを自動的に表示する仕組みだ。
こうしたアプリも万が一に備えてとりあえずダウンロードしておけば、いざという時のシステム障害にも慌てず対処できるようになるだろう。(澤田真一)