スタジオジブリが、ジブリ風に画像を加工する生成AIアプリに対し、アプリの配布終了などを求めているかのように見える偽の警告文が、X上で拡散されている。

スタジオジブリは、こうした警告文について「送ったという事実はない」としている。

記載のメアドが無効、「フェイク」疑惑浮上

問題となっている偽の警告文は、スタジオジブリの法定代理人を名乗る会社から、ジブリ風に画像を加工する海外のアプリ「Gib」に宛てたとするもの。文書上部にはトトロのようなイラストと「STUDIO GHIBLI, INC.」の社名も記載されている。

海外のXユーザーが、「スタジオジブリからこの停止命令が届いた」「AIクリエイターは罰せられるべきではなく、保護されるべきである」とのコメントとともに、日本時間2025年3月28日に投稿した。

警告文では、Gibがスタジオジブリの著作物やブランド名を無断使用、不正流用しているとし、アプリやそのプロモーションなどにおいてスタジオジブリやジブリ作品に関する言及を中止すること、アプリの配布の終了、ジブリ作品を参照したウェブサイトやコンテンツの削除を求めている。7日以内に書面で承諾しない場合は、法的措置を取るとしている。

この投稿には、警告文に記載されたメールアドレスが無効であることなどからフェイクだとするコミュニティノートが付いた。実際、記者がこのメールアドレスへの送信を試みたが、エラーメッセージが返ってきて送信ができなかった。しかし、Xでは、警告文を本物だととらえるコメントも散見された。

28日にJ-CASTニュースの取材に応じたスタジオジブリの担当者は、こうした警告文について、「送ったという事実はない」としている。

生成AIをめぐっては、対話型生成AI「チャットGPT」の新機能を使った、スタジオジブリ風イラストのSNS投稿が相次いでおり、著作権上の懸念が指摘されている。