「顔は合格点なのに、何がダメ?」高収入で将来設計も完璧な35歳女に、4年彼氏がいないワケ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「豊洲に住んでいる」と33歳男が言った途端に、デート相手の女が戸惑ったワケ

いつから、私の恋愛はうまくいかなくなったのだろうか。

それは年齢のせい?それとも、私の経験値が上がってしまったせい?

今回こそ、うまくいくと思っていた。2歳年下の和樹とは丸の内で飲んでいる時に声をかけられ、向こうは「すっごい綺麗ですね」と何度も言ってきた。

だから、見た目は合格点だったはず。

でも二度デートをして以降、和樹から連絡が来ない。

それなりに仕事も頑張ってきて、自立もしている。大手日系企業という信頼を活用し、ローンを組んで昨年マンションも購入した。

金食い虫でもないし、彼氏にワガママも言わないし、人としてそれなりに気も使えるほうだと思う。

デートの時だってそうだ。相手に迷惑をかけたり、負担になるようなことはしていないと思う。

それなのに、どうして和樹からは連絡が来なくなってしまったのだろうか…。



Q1:初デートで、女がすべきだったことは?



和樹と出会ったのは、金曜夜の丸の内だった。後輩の花ちゃんと二人で飲んでいると、男性二人組に声をかけられた。

「良ければ、一緒に飲みませんか?お二人、すごい綺麗だったので、思わず声かけちゃいました」

最初は軽いナンパかと思って無視しようかとも思ったけれど、はっきり言うと、私は和樹の顔がものすごくタイプだった。

しかも花ちゃんもまんざらでもない感じだったので、結局この日は4人で飲むことになった。

聞けば証券会社に勤務しているという和樹は帰国子女で、そこまでもセットで私のタイプだ。

「美月さん、身長何センチですか?」

「私ですか?165cmですけど…」

「美人だし、スタイルも良すぎません?」

「いえいえ。和樹さんも、身長高いですよね?イケメンだし」

「本当ですか?嬉しいなぁ」

初対面なのにものすごく褒めてくれる和樹。もちろん連絡先を交換して、すぐに二人でデートをすることになった。

そして初デート、和樹は有楽町にある、中華料理とスペイン料理の融合が楽しめる名店『テクストゥーラ(TexturA)』を予約してくれていた。

有楽町デートと聞いて、このお店を指定してくれるとすごく嬉しい。でもハイエンドな内装ながらも、どこか肩肘張らずに楽しめる…この絶妙な塩梅は、まさに初デートの正解だと思う。

「この前は、急に話しかけちゃってすみません。後輩の女の子…花さんでしたっけ?あの後大丈夫でした?」

「まったく!花ちゃんも楽しんでいたみたいですよ。そうそう、和樹さんの後輩の方と今度ご飯行くって言っていました」

「マジか!あいつ、やるなぁ」

そんな世間話から始まったデートだけれど、和樹は今日もカッコよかった。しかも相変わらず、ストレートにくる。

「美月さんって、本当に美人ですよね。よく言われると思いますけど」

「本当に、褒め上手ですよね」

「そんなことないですよ、本心ですよ」

ここまで褒めてもらうと、なんだかくすぐったい。

それと同時に、少し身構えてしまう。

― この人、遊び人…?

楽しみにしていた、名物の「パエリア」を食べながら、私は思わず目を伏せる。

35歳になる私は、遊び人に引っ掛かっている暇はない。真面目で、ちゃんと向き合って将来を考えてくれる人に時間を費やしたい。

「あの、和樹さんっていつもそういう感じなんですか?」

「え?」

「いや、女性慣れしていらっしゃるなぁと思って…」

すると、和樹は驚いたような顔で私の方を見てきた。

「そう見えます?美月さんって、面白いこと言いますね」

「え?そうですか?」

なんだか会話がふわふわとしていて、思わず二人で笑ってしまった。

「美月さんって…僕と同じ歳くらいですかね?敬語、やめませんか?」

「私は35歳です。和樹さんは?」

「僕は33歳なので、僕の方が年下ですね」

「そっか、年下か…」

2歳年下となれば、敬語でなくても良いのかもしれない。でも人見知りで気遣いの塊のような私の性格的に、初対面というか、まだ二度目の人に対して敬語を使わずに話すことなんてできない。

「敬語は…もう少し仲良くなったら、なしにします」

「美月さんって、真面目なんですね。そういう感じ、嫌いじゃないですけど」

からかわれているのかとも思ったけれど、今日和樹と話していて、わかったことがある。

彼は一見チャラく見えるけど、意外にいい人だ。そしてただ人との距離が近いだけで、社会人として、男性としてはちゃんとしてそうな気がする。

「美月さん、またすぐにデートに誘ってもいいですか?」

「はい、もちろんです」

そしてちゃんと、和樹は二度目のデートもすぐに誘ってきてくれた。



Q2:男が二度目のデート以降誘ってこなくなった理由は?



二度目も和樹は変わらず、紳士だった。しかも前回家の場所の話をしたのだが、和樹は私の家に近いエリアのお店を予約してくれていた。

「美月さんのお家、お近くですか?近いほうがいいかなと思って」

「お気遣いありがとうございます。そうですね、ここから徒歩10分くらいですね。2年前にマンションを買って…」

実は、ローンを組めるうちに組んでおこうと思い、思い切ってマンションを購入した。賃料を支払うなら、購入したほうがいいかなと思ったからだ。

「え!すごいですね」

「全然ですよ。老後のための投資です」

「素晴らしいですね…」

そこからなぜか、投資などの話になった。でも私はお金の話をするのが嫌いではない。しかもうっかり、このお金の話で和樹と盛り上がってしまった。

「美月さん、老後に対する備えがすごくないですか?(笑)」

「この先、ひとりかもしれないので(笑)。その辺りは、抜かりなく」

でも、ふと気がついた。

デートでこんな話をするなんて、色気がなさすぎる。そこで慌てて次の話題を探そうとしていると、和樹のほうから話を振ってきてくれた。

「すごいな〜。じゃあ美月さんって、普段週末とかは何されているんですか?」

「何をしているかな…とりあえず午前中は家事をしたり?夜は友達と飲むこともありますが、家にいることも多いかな。和樹さんは?」

「僕は似たような感じですが、夜は大体友達と飲んでいますね」

「家でも飲むんですか?」

「まぁ、たまに。美月さんは?」

「私は家では一滴も飲まないです。外では飲むんですけどね」

そしてこの日は、お互いのプライベートのことも結構知れたと思う。前はまだ距離があったけれど、今日はもう少しだけ近く感じる。

「今さらですが、美月さんって今彼氏とかいるんですか?」

「いないですよ。もう4年くらい、いないかもです」

「え!そうなんですか!?こんな綺麗なのに…美月さんほどの美女、放っておかなくないですか?」

「そんなことないですよ〜」

正直、こうやってデートは繰り返すものの、最近はその先に進む機会が減ってしまった。でもこのことは、さすがに和樹には黙っておこうと思う。

「和樹さんは、モテそうですよね」

「いや、どうでしょう。普通ですよ」

そんな感じで、二度目のデートも楽しい雰囲気で終わることができた。

「今日も楽しかったです!ありがとうございます。あと、ご馳走さまです。和樹さん、お会計おいくらでした?」

「いやいや、大丈夫ですから。ここは払わせてください」

「じゃあお言葉に甘えて…ありがとうございます」

「美月さん、途中で下ろすのでタクシーに一緒に乗っていきませんか?」

一瞬、通り道なら乗っけてもらおうかとも思ったけれど、お腹もいっぱいだし少し歩いて、夜風に当たりたい気分だった。

「運動も兼ねて、少し歩きます。ありがとうございます」

「わかりました。夜道、気をつけて下さいね」

「和樹さんも。ありがとうございました」

こうして、手を振り合って解散した。

しかしこの二度目のデート以降、なぜか和樹から連絡が来ない。

思い返しても、失礼なことはしていないと思う。お礼もちゃんと言えているし、何も悪いことはしていないはず。

それなのに、どうして彼から連絡が来ないのだろうか…?



▶前回:「豊洲に住んでいる」と33歳男が言った途端に、デート相手の女が戸惑ったワケ

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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男が二度のデートで悟ったことは?