長男が小学生のとき仲の良かったK君は、教育熱心なママの希望で中学受験をし、有名私大付属の中高一貫校に進学しました。しかし、この学校が「第6希望だった」と悔しがるK君ママは、同級生たちのその後の進路を突き止めるため、息子たちが大学進学を迎えた春、思いも寄らぬ行動を取ったのです。子どもの受験に取りつかれた母親の恐るべき執念に身震いしたエピソードをお話しします。

息子の中学受験が不発に終わったママ友





K君は息子が小学生のとき仲良くしていた友人の1人です。足が速く、勉強もできて、おまけに女の子のようにきれいな顔立ち。K君ママは目に入れても痛くない様子でした。

ところがこのママ、K君への干渉が度を越していて、今で言う典型的な「ヘリコプターペアレント」。お受験に乗り気ではないK君の気持ちを無視して、中学受験をさせました。なんでも、将来は国内最大手の広告代理店にK君を入社させ、広告マンにするのが夢だと周囲に触れ回っていたそうです。

しかし、本人が乗り気でない受験はうまくいくはずがありません。K君ママは偏差値70を超える県内の御三家を筆頭に、県内トップクラスの中学を受けられるだけ受けさせましたが、結局合格できたのは「第6希望だった」という私立大学の付属中学校だけでした。

とはいえ、偏差値60を超える立派な学校。周りのママ友たちは「すごいね、頑張ったね」とK君親子をねぎらうものの、不本意なK君ママは「このままエスカレーターで大学まで行かせない。Kには大学受験をさせて、もっといい大学に絶対入らせる!」と鼻息荒く訴えていたそうです。

(広告の後にも続きます)

気になる公立中学進学組の高校受験結果

地元の公立中学へ上がった私の長男は、その後K君と会うこともなく、部活のサッカーに打ち込みながら、希望する公立高校への進学を目指していました。公立中学進学組の多くは、高校進学も公立志向。希望する公立高校が受からなかった場合に、併願の私立高校へ流れるというのが一般的でした。

公立高校の合格発表があってすぐのこと、音沙汰のなかったK君ママから、あちこちの家に「どの高校に受かったの?」と電話がかかってきたそうです。K君ママは、電話をかけた家の子だけでなく、相手が知る限りの同級生の進路情報を全部聞き出そうとしていたとウワサになっていました。

私立中学に進めば、公立進学組の進路なんて気にならないだろうに、どうしてそこまでするんだろう……私はK君ママの競争心の強さや学歴への執着に驚きました。