初級者から上級者まで、さまざまなスタイルを持つ投資家が夜な夜な集う投資家バー。今宵も常連投資家は、おもむろに自ら導き出した知識・技術、そして成功体験を新米投資家に教えはじめます。本記事では酒井富士子氏の著書『投資家バーの常連客から聞いた 投資の成功術』(インプレス)から一部抜粋・編集し、相場歴24年・オプション取引のスペシャリストである常連投資家を紹介します。

投資家バーの常連客:お菊さん

オプション投資と聞くとハイリスクで難しそうというイメージ。しかしお菊さんによると、米国株オプションである戦略を実践すれば、値動きの上下に関係なく利益を取れると言う。

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米国で大流行中の1Day(0DTE)オプション取引の戦略

新米投資家

オプション取引って期日を設定しないといけませんよね。お菊さんは、期日をどう設定しているんですか?

お菊さん

お。良い質問ですね。取引の期限には選択肢があって、1か月、1週間、そして1日という超短期もあるよ。何を選ぶかは自由だけど、私の場合は1日で終わる1Dayオプションがメインだよ。ちょっとここで、シカゴ・オプション取引所の取引データを見てみようか。

新米投資家

ありがとうございます!



[図表]S&P500指数連動オプションの0DTE取引量 出所:『投資家バーの常連客から聞いた 投資の成功術』

お菊さん

これはS&P500指数連動オプションの取引データなんだけど、見てもわかるように1Day(0DTE)の取引量は年々増えていて大流行中なんだ。0DTE(zerodaystoexpiration)ともいって、始めたその日のうちに期日がくる超短期決済だよ。

新米投資家

うわすごい。デイトレードみたいですね!

お菊さん

1Dayだとプレミアムは小さくなるけど、取引が活発で流動性は高い。なにしろ、今日1日の価格予想をすればいいだけなので、気持ちが楽だよね。米国の市場はサマータイム期間なら22時半に始まるので、夜寝る前にオプションを仕込んで、朝起きたらもう決済が終わっているから手間もないのさ。

新米投資家

へ〜、じゃあ、夜のうちにコールオプションを仕込んで、朝起きたら利益になっているのか。いや〜良いですね! この方法なら、平日に会社でチャートを見てそわそわする必要がなさそうです。

お菊さん

そうなんだよ。

新米投資家

これも、カバードコール戦略でしているんですよね?

お菊さん

もちろん。1Dayの場合はS&P500指数のような指数に連動するETFを原資産とするオプションやSPY、QQQ、IWMなんかが人気があって出来高が十分あると思うよ。個別株はまだ1週間ものしかできないことが多いんじゃないかな。