中野エリアでは数少ない「大人の舌」を満足させる代表的酒場、『第二力酒蔵』で一人飲み!
●東京生まれ東京育ち。中央線の飲み屋をこよなく愛するライター・松田義人による中央線一人飲み案内。JR中野駅そばで愛される大人の居酒屋『第二力酒蔵』の魅力とは?
JR中野駅北口を出ると、目の前に中野ブロードウェイまで続くサンモールというアーケード商店街が伸びていますが、その東側に今も昔もそう変わらない飲食店街があります。
このエリアは比較的小さな新旧の個人経営の飲食店が多く点在し、チェーン系飲食店が少ないのが魅力です。
中野駅北口。平日の昼間ですが、駅前には三味線を弾き続けるパフォーマンスをする人がいました
また、個性豊かな飲食店街に突然カメラ屋さんがあったり、喫茶店があったり、スーパーマーケットがあったりする雑多な感じも面白く、このカオス感もまた中野の一つの素顔と言えるでしょう。
中野駅北口を出て右斜め向こうのケンタッキー・フライドチキンの路地(中野北口一番街商店街)を入ると、新旧の個人経営の飲食店が無数にあります
ただし、小さなテナントが多いからなのか、いわゆる“酒場然”とした居酒屋などは少なめ。中華料理店などの飲食店が酒場としての機能を併せ持つケースも多く、特に一人飲みの場合、あまりのんびりできません。また、安さが求められがちなエリアでもあり、“大人の舌”を満足させる上質な食事と酒を楽しめる店も少ない印象です。
そんな中、『第二力酒蔵(だいにちからしゅぞう)』は、例外的な存在。200席という界隈では大バコにあたる酒場ながら、鮮度抜群の魚料理を得意としており、大人の舌をも必ず満足させてくれる店です。
日曜を除く14時からの営業なので、昼飲みもでき、もちろん一人飲みもOK。自分のペースで落ち着いて酒を飲めるのもまた『第二力酒蔵』の利点と言って良いでしょう。
平日の14時半にして昼飲み客で賑わう店内
14時半過ぎにして、すでに昼飲み客多数
というわけで今回は、『第二力酒蔵』で昼飲み、一人飲みすることにしたわけですが、実は筆者、この店は複数回しか訪れたことがありませんでした。それも仕事先からの接待とか、著名人の飲み取材などで行く程度。なぜなら、ハイレベルな味わいがゆえに、総じて高い出費になるためです。
もちろん一人飲みもOK。カウンターで誰に干渉されることもなく、美味しいつまみと酒を楽しむことができます
筆者的にはそう普段使いできるような店ではない『第二力酒蔵』ですが、筆者が訪れた14時半過ぎはすでに店内は昼飲み客で賑わっていました。
『第二力酒蔵』のメニューの一部。安い焼鳥屋、立ち飲み屋に比べれば高めですが、どれも非常に美味[食楽web]
ただし、前述のような中野北口のカオスな飲食店街とは違う落ち着いた雰囲気で、客層も裕福そうな年配の方が多く、そしてスタッフのサービスも一流。改めて、中野エリアでは特別な店のように感じました。
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鮮度も味も抜群のおつまみに焼酎がグングン進む
お通し、たこ刺し(800円)、麦焼酎ロック(二階堂・グラス500円)
さて、ここで筆者は麦焼酎ロック(二階堂・グラス500円)、たこ刺し(800円)をオーダー。飲み始めはさほどおつまみを求めない筆者としては、これで十分です。
機敏な動きで女性スタッフからすぐにサーブされました。嬉しいのが、麦焼酎ロックと合わせて頼んでいないのにチェイサーが添えられていたこと。こういう配慮もまた大人の酒場ならでは。
まずは一人で乾杯。お通しは、黒豆と野菜が和えられた創作的なポテトサラダで、これが繊細な味わい。程よくマッシュされたポテトと黒豆が、双方の素材感を殺さぬ程度にあえてざっくり和えられており、これだけでも十分酒を進めてくれます。
軽めに湯通しされたたこ刺し。『第二力酒蔵』の技を感じる一品
また、たこ刺しは軽めに湯通しされており、こちらも繊細な味わい。おそらくは生のままでももちろん口にできるものを、より上品な口当たりにすべくあえて湯通ししてあるのだと思いますが、この辺の“技”もまた『第二力酒蔵』ならではのものだと思いました。