誤解2.遺言を残すほどの財産はない
「大した財産はないから、遺言書を残すまでもない」という方もいます。確かに、財産が多いほうが揉める要素は増えるでしょう。しかし、「大した財産はない」というのは主観に過ぎません。本当に財産がゼロなのであれば遺言書は不要かもしれませんが、多くのケースでは不動産や預金があります。特に不動産は、分け方が難しいので揉めがちです。
たとえ資産価値の低い不動産であったとしても、遺産がそれしかないとなれば誰が相続するかで問題になります。そこで暮らしてきた相続人がいるのであれば、その人の名義にしてあげたほうがよいのでは?など、いろいろと考えなければなりません。ですから、大した財産はないと思っていても、遺言書を書かなくて大丈夫なわけではないのです。
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誤解3.遺言書を書くなんて縁起が悪い
「遺言書は死のイメージがあるから縁起が悪い」と考える人もいます。しかし、これは遺言書(遺言)を「遺書」と混同しているのでは?と思います。
確かに遺言書はその人が亡くなったあとに効力を発揮するものですが、遺言書はあくまで「自分が亡くなったら、財産はこのように分けてほしい」などの意思を伝える法律文書です。
遺言書があるだけで家族の相続手続きにおける負担を軽減できますし、どうしてこういった財産の分け方をしたのかという想いと未来へのメッセージを残すことができます。「縁起が悪い」というのは誤解です。