#5:ル シエルジュロ 2020年 ブラン ド ノワール ブリュット ナチュール
ナタリー:40年以上にわたり、環境に配慮した栽培を実践してきた責任者パトリック・マルタンに敬意を表したシャンパーニュ。ヴァレ・ド・ラ・マルヌのヴェルヌイユにある90アールの区画のムニエ100%で、初植樹は1962年。雨に弱く、罹病しやすい品種なので、良年のみ生産。長熟タイプではなく、酸もソフトなので、ノン・ドザージュでバランスを取った
石田:ロゼに似た色調で、清楚で穏やかさを感じさせるムニエ。スグリ、ライラック、コリアンダー、ブリオッシュ。味わいは緻密で、浮かび上がるような広がり。酸味はやさしくボディを包むような印象。絶妙なバランスを表現している他に類を見ないスタイルラ コート ア ブラ 2015年 ブラン ド ノワール ブリュット ナチュール
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#6:ラ コート ア ブラ 2015年 ブラン ド ノワール ブリュット ナチュール
ナタリー:先代が“パーセル(PC)”に注目して完成させたアイテム。2008年から毎年リリース、生産本数は7000~7500本。自社畑PCキュミエールにある70アールの単一畑「ラ コート ア ブラ」のピノ・ノワール100%で、真南に向いた日照条件が良い畑なので収穫日の見極めが大事。ドザージュはゼロ。糖分を加えなくてもバランスが良い
石田:色調は輝きのあるゴールド、熟して柔らかなブルーベリー、スミレ、胡椒や甘草、パンデピスやミネラル。先程までテイスティングしてきたシャンパーニュのような直線的に伸びる酸味ではなく、横に広がる酸味で、フィニッシュは心地よく、飲み疲れしない

メゾンの歴史と伝統を体現し、200年にわたるシャンパ-ニュへの卓越性や情熱を祝うために造られた『キュヴェ 200』。大容量のみの生産で、マグナムは2000本、ダブルマグナムは1500本、すべてナンバリング表記
#7:キュヴェ 200
ナタリー:200周年記念のキュヴェで、2015年ヴィンテージのブドウを使用。ブドウはグラン・クリュ(GC)アンボネのピノ・ノワールとGCシュイィのシャルドネ、PCキュミエールの三つの畑のブドウで、ブレンド比率はピノ・ノワールとシャルドネ各50%ずつ
石田:外観はゴールド、香りは率直で透明感がある。ピンクグレープフルーツ、ザクロ、ライラック、栗の殻や蜜。ヘーゼルナッツの風味やジンジャーブレッドが奥行きを与え、味わいは緻密で精密。直線的な酸味で、熟成による豊かさと調和し、リフレッシュできる余韻
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#8:キュヴェ ジョセフィーヌ 2014年
ナタリー:ジョセフィーヌは創業者の一人娘の名前。婚礼のために造られたシャンパーニュを1980年代初頭、先代が現代風にアレンジ。オリジナルボトルには手書きで装飾が施されていたので同様にして復刻版をリリースさせた。初ヴィンテージは82年で、2014年は11番目のヴィンテージ。良年だけの生産で、平均生産数は2万~2万5000本。ブドウ畑はアンボネ、サシー(ピノ・ノワールは小粒でボディがある)、キュミエール、ベルジェール・レ・ヴェルテュ(シャルドネは直線的でストラクチャーがある)、ル・メニル・シュル・オジェ。ブレンド比率はシャルドネ60%、ピノ・ノワール40%。先代は「凝縮感とハーモニー」と形容している
石田:スモモやカリン、百合の花、ジンジャーやベーキングスパイス、丁子やオレガノ、セージやハーブ、さらにブリオッシュや鉱物的なミネラル。味わいと香りのバランスが良く、繊細な酸味、中盤から広がる厚みにはシャルドネのストラクチャー、ピノ・ノワールのボディが表現されている

中央にJPの刻印、周囲を太陽で囲った新ロゴは、1905年に使われていた版をアレンジしたもの。5代目ジャン=クロード・フルモン氏が来日した折「ジョセフ・ペリエは日本のメールアドレス“jp”と同じなので、とても親近感がある。皆さんにもぜひ、それを感じてほしい」と語っていたが、200周年を機に、イメージ強化を図ったJPジョセフ・ペリエは、要注目のメゾンだ
text & photographs by Fumiko AOKI
【問い合わせ先】
JALUXワイン・リカー部 TEL.03-6367-8756