食楽web
●住んでみないとわからない、住んでいても意外と気がつかない商店街の魅⼒を、⼈、⾷、物語を通じて伝えていく連載です。
もともと多摩川沿いの宿場町として発展してきた二子新地周辺、川崎市高津区エリアには、大山街道ふるさと館をはじめ、岡本太郎の母・岡本かの子ゆかりの地など文化的スポットが点在しており、歴史と芸術が交錯する面影は、街歩きにちょっとしたワクワクを添えてくれます。
老舗がある一方で、クラフトビールや音楽カルチャーを取り入れたバーなど、新しい店舗も続々登場しているのが近年のトレンドとなっています。
古くからの人情と新しい感性が程よく溶け合い、肩肘張らずに“街の空気”を楽しめるのが二子新地の魅力です。
そんな二子新地を、二子大通り商和会会長、二子新地グルメの会実行委員会・高井英彦さんにナビゲートしていただき、さらなる魅力を発見していきます。
前回の夜の部前編に続き、今回は夜の部後編です。
樽生クラフトビールが楽しめる『CRAFTHOUSE TALKIE’S』。もちろん「KARYU IPA 花柳」のドラフトも!
店内に入るとここにも二子新地ゆかりのクラフトビール「KARYU IPA 花柳」のデザインが
前編でも触れましたが大切なことなので、何度も書きます。
クラフトビール「KARYU IPA 花柳」は、ポートランド『HOPWORKS BREWERY』と、二子新地『CRAFTHOUSE TALKIE’S』、溝の口『THE YOKE』、そして『RIVERSIDE BASE』のコラボレーションにより生まれました。
芸者が行き交い、三味線の音はずむ花柳街だった二子新地の名残と多摩川下流の風情をビールとデザインに落とし込んだ一品。まだ数店でしか飲めない、まさに二子新地ならではのクラフトビールなのです。
「KARYU IPA 花柳」のドラフトビール
『CRAFTHOUSE TALKIE’S』はクラフトビールをドラフトで飲めるということに特化し、アメリカの西海岸のバーをイメージしたお店です。
そして、前述の通り「KARYU IPA 花柳」を生み出したお店のひとつでもあるんです。
ここで「KARYU IPA 花柳」のドラフトビールが飲めないわけがありません。『RIVERSIDE BASE』の角打ちで飲む「KARYU IPA 花柳」も特別な感じがしますが、『CRAFTHOUSE TALKIE’S』で味わう「KARYU IPA 花柳」のドラフトもまた格別です。
「バッファローウイング」5P 800円(税抜) 旨・辛の連続で「KARYU IPA 花柳」が進んでしまいます!
スポーツ・ライブ観戦をしながらおいしい料理を味わうも良し、お客さん同士でワイワイと楽しむも良し。女子会も開催されたり、ドラフトビールをサクッと一人のみ、など楽しみ方も様々。
高井会長は数軒回ったあとに来ることが多いとのこと。「遅くに帰りたがってる人を無理やり連れてくることもあって、かわいそうで笑」と語る斉藤敬介オーナー
*斉藤オーナーもイケメンですが、『㐂月』で決まったイケオジの定義「見た目50歳以上」には見えないので、勝手にイケオジリストから除外させていただきます(申し訳ございません)。
さて、二子新地駅前にある高井会長のお店にイケオジがいるというので、向かうことにします。
●SHOP INFO

CRAFTHOUSE TALKIE’S
住:神奈川県川崎市高津区二子2-7-29
tel:044-387-8810
営:17:00〜26:00
休:不定休
https://www.instagram.com/talkie_s_official/
イケオジに会いに、高井会長のもう一つお店へ
『タベルナ Quale(クアーレ)』の、直(なお)さん。柔和な表情が大人の余裕を感じさせます。趣味は釣り
直さんの料理を目当てにお店に来るお客さんが多いとか。イケオジで料理上手はズルい。
「ウチのお店の紹介はいいよ。この店の下のBARが今日最後の店」と高井会長が地下に向かうので、料理の写真はお預け。直さんの料理は、高井会長に今度機会を設けて貰います。
●SHOP INFO

タベルナ Quale(クアーレ)
住:神奈川県川崎市高津区諏訪1-3-4
tel:044-811-3007
営:18:00〜直さんがんばれるまで!
休:月曜
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140505/14067753/
イケオジオーナーのBARでイケオジ好き常連と再会する
「二子新地には好きなお店がたくさんあるんです」と語る奥の男性は等々力から通っているそうです
階段を降りると『㐂月』で二子新地はイケオジの街だと教えてくれた常連さんがいらっしゃいました。もちろんこのBAR『TURQUOISE(ターコイズ) 』の常連でもあります。
「エツローさんもイケオジなんです!上の店の、直さんも!」
『TURQUOISE』オーナー兼マスターの石渡悦朗さん
二子新地駅より30秒。『TURQUOISE』はニューメキシコのサンタフェにあるBARをイメージした木の温もり溢れるメキシカンBAR。居心地の良さとアットホームな雰囲気に老若男女が集まり語らいます。
「実際に現地のお店を回ると、みんな楽しそうにしているんです。メキシカンとネイティブアメリカンとアメリカ人が分け隔てなく仲良く楽しんでいる様子をみて、そんな雰囲気のお店の二子新地で作れたらいいなぁと思ったんです」と語るマスター。
ジャックダニエルのソーダ割りをオーダー
「急に打ち合わせ入ってしまって。あとよろしく」とマスターに言って自分のお店に戻る高井会長。商店会の話、イベントの企画、様々な相談など、溢れる”漢”はいつでも忙しいのです。
「元々、二子新地が地元なんで、高井会長とは幼馴染なんです。」
あとを任されたマスターが語り始めました。
高井会長になにかを任されたマスター
「会社員時代、二子新地を離れていたんですけど、地元ですから久しぶりに夏祭りに行ってみたんです。すると、子供が全然いないし夜店も少ないし。盛り上がっていた自分が子供の頃とは全然違っていて地元にさみしさを感じたんです。そこで地元に戻って盛り上げたい気持ちが沸いて、今に至るって感じです」
この日、4軒ハシゴし7軒立ち寄りましたが、どのお店も老若男女がいて賑やかでした。イベントも多く高津区民祭なんかは、人でごった返す近年。マスターが感じた地元へのさみしさは見る影もありません。この盛り上がりは、高井会長だけでなく、マスターや地元を元気にしたい!と思う人々の日々の結果なのかもしれない、イケオジマスターの話を聞いて二子新地のことがもっと好きになりました。
「二子新地は、ただ食事にしに店に行くというより、”店の人に会いたいから店に行く、店の人に会いたいから店に行きたくなる”そんなお店が多いんですよ」
と”溢れる漢”高井会長の言葉の意味がわかった気がしたのでした。
●SHOP INFO

TURQUOISE(ターコイズ)
住:神奈川県川崎市高津区諏訪1-3-4-B1
tel:044-822-0521
営:18:00〜2:00
休:日曜
https://www.turquoise66.com/
(企画・取材◎ヨネダ商店)