すぐに役所に問い合わせたBさんだったが…
Bさんは児童手当の反省から、これをもらい損ねては大変! とすぐに役所に問い合わせました。
職員「これは新学期が始まってから大学等の窓口で申請するんですよ」
早とちりしてしまったと恥ずかしく思ったBさんは、自分できちんと調べることに。そして、下記のような条件があることを知りました。
「大学等の無償化制度」は子ども3人以上の世帯が対象で、役所の担当者が言うように、入学後各学校の窓口で申し込みます。
また所得制限はないものの、学修意欲や成績に関する要件があります。支給にあたって学修意欲が確認され、支給後も出席率等に係る要件を満たさなければなりません。
「学修意欲……?」
Bさんは、聞き慣れない言葉に少し戸惑いました。長男は大学附属校に通っているため、なんとかそのまま進学できそうではあるものの、成績には不安があります。
長男に「無償化」が適用されるには、下記いずれかの要件が必要です。
1.⾼校の評定平均値が3.5以上であること
2.⼊学試験の成績が⼊学者の上位1/2以上であること
3.⾼卒認定試験の合格者であること
4.学修計画書の提出を求め、学修の意欲や⽬的、将来の⼈⽣設計等を確認できること
評定平均はなんとかクリアできそうだとホッとしたものの、大学2年生以上で支給が継続されるためには、下記いずれかの要件が必要です。
1.在学する⼤学等における学業成績について、GPA (平均成績)等が上位1/2以上であること
2.次のいずれにも該当すること
(1)修得単位数が標準単位数以上であること
(2)学修計画書の提出を求め、学修の意欲や⽬的、将来の⼈⽣設計等が確認できること
親世代にはあまりなじみのないGPAは「Grade Point Average」の頭文字を取ったもので、大学の成績を表す評価方法です。現在は多くの大学で取り入れられており、留学や就職で必要となる場合もあります。
「大学に入ってからも真面目に学業に励んでもらわなくっちゃ……」
Bさんは長男を思い浮かべ、このまま無償化をあてにしていて大丈夫なのか不安な気持ちになりました。
情報は自分で取りにいく時代…公的制度の「最新情報」をチェックして
親の所得などに左右されずに教育機会が均等になることは、長い目で見れば社会全体の発展につながり、日本のためになるといえそうです。
とはいえ、いくら制度が整っても情報は自分で取りにいく時代。知らないと損をしてしまうこともあります。都度、最新の制度を確認するようにしましょう。
石川 亜希子
AFP