業界No.1のシェアを誇る回転寿司チェーンの「スシロー」。外食産業全体が物価高騰や人件費の上昇に直面するなか、2024年9月期の売上収益は3,611億円(前年同期比19.7%増)と過去最高を更新しました。とくにまぐろへのこだわりは業界屈指で、極低温冷凍や解凍技術の研究など品質向上に注力するほどの徹底ぶりです。東山広樹氏の著書『国民的チェーンめし研究 〇〇の△△はなぜうまいのか?』(カンゼン)より、スシローがこだわる美味しさを紐解いていきます。

『スシロー』の「まぐろ盛り」はなぜうまいのか?



[画像1]『スシロー』の「まぐろ盛り」 出所:『国民的チェーンめし研究 〇〇の△△はなぜうまいのか?』(カンゼン)より引用
イラスト:蒼井すばる

業界No.1のシェアを誇る『スシロー』で食べるべきネタは、誰がなんといおうと「まぐろ」と、著者は猛プッシュする。まぐろの専用サイトを設けるほどの異常なまでのこだわりがもたらす美味しさとは?

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『スシロー』との出会いとは?

『スシロー』は回転寿司チェーン業界においてシェアNo.1を誇る。さすが王者というだけあって、全体的なレベルがすごく高い! しかし、しっかりと抑えておきたい特徴がある。それは「まぐろへのこだわりが異常すぎる」ということ。



[画像2]『スシロー』創業/1984年、1号店/豊中(大阪府豊中市)※『すし太郎』として。閉店。店舗数/約620 出所:『国民的チェーンめし研究 〇〇の△△はなぜうまいのか?』(カンゼン)より引用
イラスト:蒼井すばる

Googleで[スシロー まぐろ]と検索してみてほしい。なんと、『スシロー』のまぐろへのこだわりをとんでもない熱量で綴った特設サイトが存在するのだ。まぐろへのこだわりっぷりはまさに異常。例えば「まぐろを釣り上げたら船上でマイナス55℃という極低温で冷凍し、そのまま店舗まで一度も解凍することなく流通させる」「解凍法の違いによって、どのような味の違いが生まれるかを測るため、味覚センサーを使って数値化する」など、とんでもないこだわり。

だから、『スシロー』に行ったら絶対にまぐろを食べるべきなのだ。まぐろを腹いっぱい食べることを念頭に置いたコース構成を自身で組み立てる必要がある。その中で僕の絶対的オススメは「まぐろの盛り合わせセット」。

時期によって内容は違うのだが、まぐろの寿司が部位やそれぞれ違う調理法で6~8貫を大皿に盛り合わせてあり、大体1,000円前後くらいの価格。今まで、生本まぐろのときもあったし、先日は天然インドまぐろだった。この寿司は注文するとレーンを流れてやってくるのではなく、店員がテーブルまで持ってきてくれるのだ。そして、実にうまい!

冒頭に書いたように何を食べても美味しい『スシロー』だが、まぐろはやはり頭ひとつ抜けていることを強く実感させられるうまさ。しかも、全部種類が違って、赤身のヅケもあれば、大トロの炙りもあり、ネギトロの手巻き寿司もありバリエーション豊か! うまいまぐろを心行くまで満喫できる最高のセットなのだ。

回転寿司において一皿1,000円前後の注文は躊躇してしまう気持ちは痛いほど分かる。でも勇気をもって注文してみてほしい。毎回頼む定番になること間違いなし。

東山 広樹
株式会社マジでうまい
代表取締役

蒼井 すばる
イラストレーター